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はじまりの前に
「ふぁ〜」
間の抜けた声が聞こえた。だが、その声を聞くものはここにはいない。
辺りには先ほどまでは生きていたであろう亡骸の数々。
ある遺体は、脚がなく腕がなく、ある遺体は、胴を貫かれ床に伏せっているものと様々だ。
そんな彼らに動揺の欠片もない様子でとんとんとこの少年は触れていく。
「お疲れ様でした〜皆さん。残念ながら生存者はいないようですね〜残念残念。」
一通りの事をし終えた彼は軽い足取りでその場を去る。
「あいつが来るのはもうそろそろかな〜。楽しみだなぁ。待ちきれないよ。僕の退屈を潰してくれよ。ダイヤ」