???
――……一部映像ログ復元完了。エラーを多数確認。
音声ログ再生可能。ノイズを除去……完了。
再生開始。
「ZEROtypeの状態良好。特に問題はありませんね」
「ふむ。ZEROtype、何処か不備を感じるか?」
『診断中……完了。システムに問題はありません、秋島博士』
「よし。敷島、銃骨格とZEROtypeのリンク開始」
「はい」
「深月と傘鍋は常にモニターをチェックしていろ。どんな小さな事でもいい。何か問題があれば直ぐに知らせるように」
「あーい了解でーす」
「うっす!」
「ZEROtype、お前も何か感じたら直ぐに伝えろ」
『了解しました』
「カウント、3、2、1――ZEROtypeとのリンク開始。……同期を確認しました」
「んー、ノイズ無しエラー無し問題なーし。あーむ……わっ、このチョコ美味し」
「続けて銃骨格82号機起動」
「了解っす。システム正常、銃骨格82号機の起動を確認したっす」
「現時点で異常は確認できず。博士」
「ああ。銃骨格の出力を上げろ。少しづつだ」
「りょーかーい。はぁ、どうせ今回も目立った成果は出ないんだろうなぁ。
それじゃ予定通り10%からスタートして1%刻みで……ん? え、ちょっ! アラート表示っ!? 博士! システムエラー発生! 動力炉に異常熱源!」
「回路切断! 直ぐにZEROtypeとのリンクを切れ!」
「は、はいっす! 強制解除コード入力! これで……って、何でっすか!? 博士! こちらの信号が弾かれたっす!」
「いけない、このままでは暴走状態に……! ZEROtype! 聞こえる!? ZEROtype返事をして!」
『……』
「ZEROtypeとの通信途絶!」
「が、銃骨格に動きあり! 拘束機器が破壊されます! どうすんの博士っ!!」
「やはり銃骨格側のスペックが圧倒的に足りていないか。自分で生み出しておきながら、ZEROtype……まったく恐ろしいものだ」
「拘束機器大破! せ、戦闘態勢へ移行!? 武装展開しました!」
「引き続きシャットダウン作業継続! 鎮圧に無人銃骨格数機を配備だ、急げ!」
「は、はい!」
「まさか、破壊するんすか!?」
「バカを言うな。銃骨格のコアは何としてでも無傷で回収させろ。ここでZEROtypeを失うわけにはいかん」
「了解っす!」
「あーもう! 何でこっちの信号受け付けないのよー! ZEROtypeー! ゼーロちゃーん! 返事しうっひゃあ!!?」
「か、隔壁が突破された!?」
「なんというパワーだ。ふ、計算以上だな」
「のんきなこと言ってる場合じゃないでしょアホ博士! どうするんですかー!」
「分かっている。迎撃システム発動。全ての隔壁を閉めて時間を稼げ。傘鍋、全職員に退避命令を」
「うっす!」
「敷島、そっちはどうだ?」
「依然としてこちらからのコンタクトは拒否されています!」
「続けろ。少々荒くなっても構わん。
深月、無人銃骨格はどうなってる?」
「全5機せっせと現場に急行中! もうすぐ合流します!」
「よし、うち1機を遠隔操作に切り替えろ。コアの奪取はお前がやれ」
「はいはい了か……はぁぁぁ!!? なにシレッと超絶ムズいこと要求してんですか!? 意味分かって言ってます!?」
「お前なら可能と判断した。それとも自信が無いか? 自称プロゲーマーみっちゃん」
「うげっ!? なんでその名前知って……! あああああもう!! やればいいんでしょやればー!
ただし失敗しても文句は受け付けませんし、成功したら給料に色付けてもらいますからね!?」
「それでいい」
「しゃあっ! 言質取った!
こうなりゃ開き直ってやったろうじゃない! 傘鍋くんサポート頼んだ!」
「えぇっ!? こっちはこっちで忙しいんすけど!?」
「うっさいわね! 隠し持ってるしーちゃんの隠し撮り写真の存在バラすわよ!?」
「今バラしてるじゃないすか!!」
「傘鍋くん。後でゆっくり話を聞かせてね?」
「ひえっ」
「よーし! やるわよー!!」
全データ復元率……7%。