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異世界在住の銃骨格  作者: ハクトラ シラコ
14/22

???

――……映像ログ破損。復元には長時間を要すると判断。


解析……完了。音声ログ検索……ヒット。最初期の記録を確認。再生開始……エラー。


音声ログ復元を優先。開始。


続けて、破損無し一部音声を再生。









「E49-ZEROtypeの起動を確認しました」

「数値は?」

「落ち着いています。リンクシステムに多少のノイズは見受けられますが、目立ったエラーはありません」

「ようやくスタートラインか。ではこれより、ZEROtypeとの対話を始める。深月(みつき)、常にモニターはチェックしておけよ」

「はいはい分かってますって。博士こそZEROtypeに変な事吹き込まないでくださいよー?」

「私を何だと思ってるんだお前は……まぁいい。あー、聞こえているか? ZEROtype。もし聞こえているなら何か反応を示してほしい」


『……』


「反応無いっすね」

「おい、深月」

「どこにも異常はありませーん」

「ふむ、おかしいな。言語システムは万全の筈だが――」


『確認完了。E49-ZEROtypeは開発者、秋島聡一郎(あきしまそういちろう)博士を認識。起動、起動、起動……完了。初めまして、こんにちは。お会いできて光栄です博士」


「おおー! ホントに喋ったっすよ!」

「どうやら成功のようですね博士。おめでとうございます」

「ふむ、起動から対話可能までのラグが大き過ぎるな。まだ調整が足らないか」

「うわっはー、もう次の課題考えてる。ちょっと博士ー、今は素直に喜びましょうよー」

「失礼な奴だ。これでも喜んでいるが?」

「無表情で言われてもピンと来ませんってば」

「私の事などどうでもいい。さてZEROtype、早速だが何処かに不調を感じたりはしていないか?」


『問題ありません。全システムは正常に稼働中です』


「ほう? 聞いたかお前達? 努力が身を結んだぞ」

「はぁぁぁ……そっすねー。約2年の苦労が報われた瞬間っす。残業はもうこりごりっすよ博士」

「その残業の時間までもうすぐなんで、手早く済ましましょうよ博士」

「あ、あはは……」

「お前達も存外感動が薄いじゃないか……。まぁいい。ZEROtype、暫し私と対話をしてみるぞ。構わんな?」


『了承します。何を話しますか?』


「ふむ……まずは――」










映像ログの復元を並行して実行中。復元完了までの推定時間……不明。

複数の画像ログを確認。致命的エラーを確認。一部復元は不可能と判断。復元可能な物を選定し復元を実行中。


全データ復元率……2%




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