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恋心の命日

作者: エマ・マクミラン

かわいい弟に、別れを告げた。

原因は私のただのわがままと意固地で投げやりで、構って欲しいと素直に言えない愚かさだった。

弟に対する私の想いは、純粋なものでは無かったし甘えていた。

大好きだった。いつの間にか、私の羽のように軽かった心臓は弟の事を考えるだけで21グラムの重さを抱え始めた。

「好きだよ」

という言葉はとても軽い。言葉というのは想いのように枷がないから。

吐き出した言葉は枷を嵌めた心臓の想いが詰まっているとは思えないくらいの軽さで、こんなものかと思った。

私は今、一つの小さなケーキを作りながら彼について考えている。20グラムのバターとレシピには書かれているが、1グラムだけわざと増やしたケーキ。

21グラムの私の恋心を殺すための、食べてしまって消化するための。

かわいい、かわいい、私の✖︎✖︎くん。愛しい✖︎✖︎くん。

この子のためにならない恋心は、殺して埋めてしまおう。

ケーキが焼きあがったら、食べてしまおう。甘くない苦味のある味になっているのかもしれない。それも全部、飲み込んで消化してしまおう。

その(あと)はベッドに潜り込んで眠ろう。もしかすると、21グラム軽くなった心臓の違和感を感じるのかもしれない。

ただその軽さにも、すぐに慣れてしまうのだろう。

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