21 ポラリス
【あらすじ】世界No.1を目指すJ3のFCアジアの新チーム作りを任された中岡将志が、地元アマチュア選手を集め強化に奮闘。そんなある日、スターな外国人選手が入団。中岡は、韓流スターで韓国代表MFのぺ・ヨンサンの契約条件で、失った記憶の恋人ユンジンを探すため、洋館作りの建物へやって来た。
【登場人物】
監督 中岡将志(49)
チェ・ユンジン(25)
店員さん
【21 ポラリス】
「中岡、ヨンサンの恋人はポラリスにいる。すぐに、行ってくれ」
中岡は、ヨンサンの恋人ユンジンがいると言う情報をGM鈴木からうけ、午前の練習を抜け出して、市役所へ向かうかてにある洋館「ポラリス」を目指し車を走らせた。
時計は、今、10時。
太陽や明智、生き残りをかけたレセプション選手たちは、コーチたちと練習を始めた頃だろう。
フィジカルトレーニングで遅れていた選手たちも体がついて全体練習に参加できる体制になったのに、自分は、ヨンサンの恋のキューピットを頼まれた。
「情けないよな。ヨンサンはスターで外を出歩けないからって、俺が、恋のキューピット役なんて、俺も人気あるんだけどな」
中岡がぶつくさ車を市役所へ向けて国道2号線を曲がると、ゴシック調の西洋創りの洋館が見えてきた。
"ポラリス"
車を止めてドアを開けると、甘い香りが漂ってきた。
開かれた扉には、女性の行列が出来ている。
中のディスプレイには、イチゴ、チョコ、チーズのショートケーキ、大きなデコレーションが並ぶ。
中岡は、人目が多いので帽子を深くかぶり、二階のカフェに上がる螺旋階段を上がると、映った天井に目を見張った。
「まるで夜空だ」
深いインディゴブルーの空に、輝く夜空の天体を点と線がつなぐ。
一際、輝く一等星。
「あれは?」
中岡は、案内する店員に尋ねた。
「あの星はポラリスです。夜空の真ん中おおぐま座の恒星で、色んな言い伝えのある店名由来の星です」
「へえー、ロマンチックな店だな、下町によくこんな所があったものだ。ぜひ、オーナーの仕事の様子も見学させてもらいたい」
中岡は、店員に帽子のツバを少しあげて顔を見せた。
甘い香りの厨房では、5人のコックコートのパティシエが忙しく分業で立ち働いている。
「Merci!」
中岡は、頭を少し突っ込み中を覗いている。
パティシエたちは、ケーキの引き渡しにフランス語をかけ合い活気がある。
お互いの仕事の状況を声で知らせて連携と、活気を生んでいる。
(パティシエもなかなかやるもんだ)
最終に渡されるケーキを飾るのは若い女。
ホイップクリームを鮮やかな手並みで巻いてゆき、最後にイチゴをのせる。
「Vo'ila!」
そう言って大きく息を入れキッチン帽をぬいだ。
ショコラベージュで少し明るく美しい髪は、顔を柔らかく包み込むようにほどけた。
中岡はパティシエの綺麗にふちどる長いまつ毛と、吸い込まれそうな大きな瞳に魅了され案内する店員に尋ねた。
「オーナーはすごい美人ですね?」
「いいえ。彼女はこの店舗を任された店長です。別の店舗にいるオーナーには、先ほどOKを取りましたどうぞ見学下さい」
「若いのによくやるもんだ」
「美人でしょ彼女はまだ25歳なんですよ。韓国からパティシエを目指して留学し、一応有名店のウチへ修業に入り、わずか、3年で店舗を任されるリーダーになった。みんなの憧れです」
「韓国!?彼女名前なんて言うんだ」
「私、チェ・ユンジンよ。あなた一体なんの用?」
会話に割って入ったユンジンのホックを緩めた胸元には片割れの星が光る。
「俺は愛を運ぶキューピット中岡だ!あんたに見せたい物がある」
中山は、ポケットから星のペンダントをユンジンに渡した。
「・・・ヨンサン」
(つづく)
空気よめよ中岡!もう少し言い方があるだろう(笑)
もちろん、この話しはフィクションです。




