2 選手選抜レセプション
監督の中岡はチームの選手集めに、市内の高校ユース年代、大学、社会人から選抜するレセプションを行った。
レセプションとは、Jの他チームを解雇された選手などが、次の居場所を求める生き残りを賭けたプロテストである。
中岡は、ここでチームの播道、増田、未定のゲームメーカー他、外国人枠3人とアジア枠1人を除いた全選手22人の内、15名の選抜をする。
中岡の思考するチームのシステム、戦術は、中盤に厚みを持たせて流れるようなパス回しと連携をする、通称、NーBOXと呼ばれる戦術だ。
NーBOXは、中岡の全盛時、ジュビロ磐田で黄金期を築いた。中盤でタクトを振るう日本代表のMF名河紘の頭文字からつけられた名だ。
この戦術には、攻守に渡って、ゲームを支配する献身的でテクニックに溢れたMFが欠かせない。
果たして、レセプションでゲームの王様がいるものか、
プロで飯を食って来た中岡にとっても、名河紘のような選手は二度と出まいと考える節もある。
イタリアでは、このゲームの王様をファンタジスタと呼ぶ。果たして、
中岡は、この日本で生まれた独自のメードインジャパンの戦術を世界のトップと戦える大会トヨタカップで世界を相手に戦いたい夢がある。
それは、自身の黄金時代、世界と戦うチャンスを不意にした悔しい過去があるからだ。
「俺たちは世界にだって勝ちたいんだ!」
レセプションには、市内全域の高校、大学、社会人が200人程集まった。
この数は、高校サッカーの強豪校などの中高一貫教育で中学から高校各年代から集めた数にあたる。
チームの方針は、先に上げた7名以外のプロは取らない。
Jリーグ規約で言うところのプロC契約選手、アマチュア及び、仕事を持つ社員選手15名を選ぶレセプションなのだ。
FCビシャモンテ尼崎の場合は、この点も優遇されている。
オーナー瀧本のセンサー企業で半数の7名は受け入れ、あとの8名は、メインスポンサーに名乗りを上げた地元の信用金庫、洋菓子メーカー、高級スーパー、繊維メーカー、ボイラー会社、塗料会社、大手量販家電メーカー、非金属メーカー等が、それぞれ、1名ずつ面倒をみる。
いわゆる地元の大手企業の全面的なバックアップのあるサッカーライフなのだ。
この選手の将来のバックアップにおいてもFCビシャモンテ尼崎は発足間もないクラブチームではあるが、すでに、Jのトップクラブにも負けない体制がある。
オーナー瀧本は、サッカーを通した未来の人材育成がテーマなのだ。
中岡は集まった200人に、普通行う試合形式の技術を見る選抜ではなく、市内全域を使ったとんでもないテストを課した。
それは、
(つづく)




