17 螺旋のケジメ
【あらすじ】世界No.1を目指すJ3のFCビシャモンテ尼崎の新チーム作りを任された中岡将志が、地元アマチュア選手を集め強化に奮闘。そんなある日、オーナー瀧本に推薦されたGKは暴走族のヘッドだった。中岡将志は、彼をチームで更生させるべく族の集会に乗り込みスカウトするのだが、そこへ因縁の暴走族が・・・。
【登場人物】
監督 中岡将志(49)
暴走族ヘッド カンポス園田(19)
暴走族ルシファー ヘッド 金本(19)
神威メンバー 塚口(17)
【17螺旋のケジメ】
一台のバイクを先に"Lucifer"(ルシファー)の旗を掲げた黒の一団が入ってきた。
黒のフルフェイスに黒の特攻服。
中岡は、カンポスたち"神威"とは真逆のドス黒い嫌な印象をうけた。
先頭の韓流バイクヒョスンモータースのGT250R2013の男がヘルメットを脱いだ。
「カンポス!久しぶりやな」
「なんのようや金本!」
「わかってるやろ?俺たちルシファーと神威の約束覚とるな?」
「ああ、わかってる」
「ルシファーが、お前たちの縄張りで、どんな悪事をしようと神威は見て見ぬ振りをする約束だったはず。それを破れば休戦協定はなしや」
「ああ、それがどうした」
金本が、中岡と神威の旗のゴールとボールを見つけてヘラヘラと、
「いや、久しぶりに気になって様子を見にくれば、悪童カンポスが中岡将志とサッカーか?お兄ちゃんも仲間に入れてくれよ」
「お前と俺は同じ施設で育っただけで、生き方が違う」
「親に捨てられたクズの俺たちが額に汗して働く義理がどこにある。力で弱いやつから奪えば俺たちの人生はハッピーやないか」
「それは、ホントのクズの生き方や。同じクズでも俺は、人の幸せを願えるクズでありたいんや」
「お前も俺もクズの人生なんか知れとる仲良くしようぜ兄弟。組の方からもいい条件でスカウトされとんやからの」
「それは、断ったはずや」
「先方はな、お前を気に入ったそうやから、どんな手を使っても連れて来い言うとんねや」
「何度言われようと女を犯すお前の誘いに頷くことはない」
「そうか、汚れた血のくせに、せやったら、ほら」
金本が合図すると黒の一団から、"神威"の白の特攻服を赤く染めた血だらけの男が放り投出された。
「塚口‼」
「こいつは約束を破ったお前へのみせしめや」
拳を作って、ブチ切れそうなカンポスに、中岡が、
「耐えろカンポス!」
「ほほ~、えらい中岡になついとるの?ケツでもほられて、腰でも抜けたか(笑う)」
カンポスが中岡に、
「中岡さん。あんたの申し出うれしかった。でも、俺はやっぱりクズの仲間だどうしても腐れ縁が切れそうにない。ゴメンよ」
「馬鹿野郎!」
金本に飛びかかろうとするカンポスを中岡が殴り飛ばす。
「負けるなカンポス!お前は、クズの希望になるんじゃないのか、仲間もみんなお前の輝く姿を信じてる‼」
眉間を刻んだ金本がいきなり中岡を殴り飛ばす。
「でしゃばんな中岡。これは、俺とカンポスの話や。お前の出る幕やない!」
中岡は、金本のズボンを掴んで、
「お前の気のすむように俺を殴れ!殴って、殴って、気がすんだらカンポスとこいつら(神威)を自由にしてくれ‼」
「中岡、俺たち暴走族のケジメのつけ方ぐらい知っとるやろな?」
金本は、そういうとバイクに仕込んだ金属バットを取り出し振り上げた。
「お前ら、全員、皆殺しじゃ‼」
黒の一団が一斉に金属バットを振り上げた。
(つづく)




