バーンドン国《南バウム街道》・1
いちにちいちわは死んだ。
ニーチェ風に書いてみましたが、作者は生きてますので物語は続きます。
お久しぶりです。
大変遅れて申し訳ありません。
ネタに詰まったので、このまま二週間休んだれと(勝手に)休ませていただきました。今日から再開します。
いやベンピ(ネタ詰まり)は治ってないんですけどね!
翌日、早朝に街を出発した。
いくらか道を進んで、ふと思う。
なんとなく、馬車の振動が減ってるような?
前の国では道無き道だったから、凄くガタガタ揺れてたんだよね。車輪とレッドさんが心配になるくらい。
……あ、そうか。昨日商人さん達が一日いなかったの、馬車の整備とかしてたのかも。
街に着く前と今とで、乗り心地が変わってる気がする。
流石は商人さん、抜かりない。
旅の途中で馬車が壊れて立ち往生、とか大変だもんね!
感心しながら商人さんを見上げる。
旅慣れた人が仲間にいると、実に心強い。
フリジア国の冒険者ギルドから旅立って、もうどの位だろうか。ひと月くらい?
一緒に旅をしていれば、気心も知れてくるものだ。いやまあ、自分は言葉分からんからフィーリングでだけど。
みんないい人達で、スライムも楽しく旅が出来ている。
たまに商人さんはオーラが黒いけどね!
びびって逃げちゃうくらい怖いけどね!
まあ商人ってそんなモノか。きっと腹黒い方が向いてるんだな。うん。
チラッと見上げたら今度は何故か目が合った。
ヒィッ! な、何でもナイですよ!?
思わずプルプル震えたら、商人さんは小さく笑ってまた前を向いた。
え、えすぱー?
お昼に小休憩。
街を出たのは自分達だけじゃなく、もう一組、馬車の団体さんもいた。二台の馬車と、護衛らしき人達が八人の大所帯。馬車を牽く馬とは別に二頭の馬がいて、それも背に荷物を乗せていた。
護衛はみんな歩きだ。
こっちの方が進むのが早いから先行してたけど、後ろから追って来ていたらしい。
休んでいる間に追い付いて、そっちも近くで休憩を取るようだった。
じっと観察してみる。
四人は商人っぽくて、護衛は八人全員が冒険者のように見える。ギルドで雇ったのかな?
商人さんとリーダーさんが立ち上がり、挨拶に行くみたいだ。
こっそり後を追う。
すぐに気付かれて拾われた。
商人さんに。
にこりと笑って肩に乗せられる。なんと初上陸。
笑顔が怖い。
でも好奇心が勝つので付いてきます!
んで、団体さん御一行の元へ。
思い思いに座っていた中から、商人らしき人が立ち上がる。
髪も眉も真っ白で、皺も深い年配の男性だ。でもよく日に焼けていて、体つきもがっしりしていた。
団体さんの中での最年長……なだけでなく、多分ボス。えーと代表さん、と呼ぶか。
「--、---」
まずは商人さんが挨拶? をした。
「---」
代表さんも言葉を返す。
顔見知りの雰囲気では無い、と思う。初対面?
互いに穏やかに会話が続く。時々相槌を打つように頷いたり、やや驚いたふうに見せたり。
うむ。
ヒマだ。
商人さんと代表さんの話は聞いてても分からんので、冒険者っぽい護衛チームに視線を向けた。
ツルッパゲの大男が一人、馬車の横に陣取っていた。腰には斧を下げ、背には長剣。
黒い毛皮のベストを着ている。
黒い毛皮……なんか見覚えあるような。
………………。
……そう言えば。
商人さんの馬車の積み荷にも、黒銀色のでっかい毛皮があるの、見ちゃったんだよね。
あれって、まさかあの時のじゃないよね……?
青さん→ゴブリン村→商人さん、の物流ルートだったり?
そ、それはともかく。
特に目立ったのがその大男。
次が女性冒険者だ。
長い茶髪を三つ編みにして、皮鎧、籠手を装備。弓と矢筒を背負っている。すらりとした背の高い女の人だ。
ちょっとエルフっぽいけど、耳は尖ってない。残念。
でもエルフとかドワーフって、この世界にいるの? どうだろ。
残る冒険者六人と商人三人も含め、商人さんと代表さんの話に聞き耳を立てているようだった。
でも素知らぬフリで食事をしている。……いや、商人の三人は代表さんが声を掛けた事で、顔をこっちに向けた。
「----?」
あ、端にいるあの二人は兄弟かもしんない。顔が似てる。
「---」
代表さんに一人が言葉を返すと、二人も同意するように頷いた。
それを見た商人さんがにこりと笑う。
わー。なんか企んでる顔だコレ。
と自分が思ってる間に、代表さんと握手を交わして馬車に戻った。
……リーダーさん、ずっと無言だったな。
「----」
戻ったその場で、商人さんが全員に何かを説明。
それぞれが頷きを返している。一体なんの話なのか。
誰か通訳! 誰もいないよ!
んじゃ仕方ない。
成り行きを見守る事にしよう。
あ、いつもの事だった。
オハヨウからオヤスミまで暮らしを見守るスライムです。
いつもより長めの休憩が終わった。
---そしていつもと違う出来事が。
先行する代表さんの馬車二台、馬二頭、冒険者チーム。
その後を、普段より速度を落とした状態でぴったり追い掛ける、自分達の馬車。
………え、一緒に移動する事になったの?
そーゆー事、らしい。
物流ルートは正しくは「青さん→ゴブリン村→冒険者→ギルド→商人さん」です。
商人さんがギルドに闇狼ボスの毛皮を依頼、冒険者が試しにゴブリン村で訊いてみたら現物があった、みたいな。




