表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/62

フリジア国《リド砦の街》

遅れました。




十日目。

街に着いた。


岩山と岩山の間を塞ぐような大きな街。

前にいた街よりも防壁がやたら立派だ。

一番違うのは………街の真ん中に見える、石造りの城。

見た目は綺麗と言うよりは、無骨。どこか物々しくて、城塞と言った方がいいかもしれない。

多分王都ではないな。そこまでの大きさじゃないし。

第一あんな怖いお城に住んでる王様は嫌だ。


街の大門には人の列が出来ていた。

街道を先に進むには、この街を通らないといけないからだろう。

なので馬車も多く並んでいる。

自分達の一行も、しばらく待つ事となった。


ノロノロと進む行列。御者席から自分はソレを眺めた。

両隣にいるのは、商人さん、ティーさんとこれまたいつも通り。商人さんがティーさんに話し掛ける。


「……--、---?」


何故か小声だった。ティーさんも小声で返す。


「……---?」


そして自分を見下ろした。

え、何ですか。

側からリーダーさんまで会話に入ってきた。


「----?」


何故か馬さん用の水袋を持ちながら。


「「---」」


商人さんとティーさんが声を合わせて頷いた。

ヒョイと持ち上げられる。

はい?


意味が分からない内に、リーダーさんが口を広げた水袋の中へと突っ込まれてしまった。


何故に!?


袋に水は入って無かった。だからって喜べるはずもナイ。必死に暴れたけど、ただブラブラと揺れるだけ。

気が付くと、袋越しに体温と、一定のリズムで動く何かを感じていた。

馬さんの鞍にでもくくり付けられたのか。


あ、でもコレちょっといーかも?

なんか段々気持ち良くなってきた。眠い。

………。

ぐう。





……………ふおっ!?

急に鷲掴まれた、と同時に視界が明るくなった。

あ、外だ。

………あれ。

街の中に入ってる。


キョロキョロと辺りを見れば、行列は消えて大門も通り過ぎていた。

寝てて気付かなかった!

自分を持っているのはリーダーさんだ。

手を伸ばしたティーさんに渡される。再び御者席へ。

……何だったの?


謎の出来事は謎のまま、宿屋に到着。

これまた立派な、高そうな宿屋だ。

いつもの様に部屋を三つ、と思ったら、二つしか取れなかったらしい。


商人さんとリーダーさんとトレスさん、ティーさんとレッドさんとウノさんとドスさん、の部屋分けになった。

大きな街だし、もう夕方近くになるからか、宿泊客が多いみたい?

食堂も混んでいた。


その食堂でふと気付く。

いつもは護衛さんの一人がいないのに……今日は全員揃ってた。

大きな宿屋で、車庫も広かった。用心棒みたいな人もいたから、積み荷を見張らなくても大丈夫って事かな。


夕食後、一旦商人さんの部屋へ全員が集合。ミーティングするらしい。

勿論自分も参加。ティーさんの肩に乗る。


商人さんはテーブルの上に地図を広げた。世界地図じゃなかった。

内陸の地図だ。

丸印がいくつもあって、その間を線が引かれている。

うーん?

街道と街、都市のマーク?

となると……お、商人さんが指差した所が、現在地かな。

商人さんの指が北向けの線を辿った。

ルートの説明をしてるっぽい。


どうもこの先は、しばらく街や村は無いらしい。

国境も近い。多分。あの線、国境だよね? 川とかじゃないよね?


主に商人さんとリーダーさんが話し合い、最後にティーさんとレッドさんに確認なのか、何かを尋ねていた。二人が頷く。


「--、----」


商人さんがパン、と手を打ち鳴らして解散となった。





四人部屋に入り、自分はベッドに下ろして貰う。

ティーさんが旅装を解く側で、他の三人は頭を突き合わせて何事か話し合っていた。

チラリとレッドさんがこっちを見る。


「---」


ティーさんが冷たい声で何か言った。

それにショックを受けた様子のレッドさん。

ドスさんが間に入って来た。


「--、---」


胸を叩いて、自分に任せろ、みたいなドスさん。ティーさんもやや態度を軟化させる。


「---」


首を横に振った。

……夜遊びのお誘いを断った、てコトでいーのかな?

ティーさん真面目だ。

一方のレッドさんはドスさん達について行くらしい。

ティーさんに頭を鷲掴まれて、念押しされていた。念押しか?


三人が出て行った部屋で、ティーさんは宿の人に頼んでお湯を貰い、それで身体を拭いてからベッドに潜り込む。


この世界にも照明器具がある。初めて見たのはギルドでだ。

壁か、宿屋ならベッド周りにスイッチがあった。

電気じゃないみたいだけど、仕組みはどーなってるんだろう。


明かりを消すと、ティーさんはすぐに眠りに落ちた。

自分はその頭の側に寄り添う。





………随分と遠くまで来た。それでもまだフリジア国内。

この大陸に国はきっといくつもあって、自分が見て回ったのは本当にまだ少しだけ。

世界は、広い。

………魔神様は、自分の寿命は長いって言ってたけど………世界中を見て回る位は、あるだろうか……………。


そして自分も、眠りに落ちた。




暗くなるとすぐ眠るスライム。

ドスさんの活躍は夜の街で繰り広げられた……かもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ