フリジア国《ブラン街道》・2
申し訳ありません。遅くなりました。またか。
今日の分でもう一話、あとから投稿予定です。
休憩後、ティーさんとレッドさんは配置換えした。
レッドさんが馬車酔いでダウンしたからだ。
レッドさん!
一応昼食は無理して食べて、移動の間は荷台で休む事にしたらしい。
まあ荷台は広かったし、寝転がるのも出来なくはない。
……護衛はどうした、とは思うケド。
そんな訳で、御者席へ。
ティーさんは初め、荷台に自分を乗せようとしたんだけど、抵抗して手の平にへばり付いたらそのまま御者席に連れて行ってくれた。
いや、だって、前からの景色、見たいじゃないですか。
肩は落っこちると思ったのか、膝の上にてスタンバイ。
護衛の合図で、馬車は動き出した。
三頭の馬が馬車を牽く。三頭立てって制御難しくないの?
普通は二頭が多いような。
隣に座る商人さんを見上げた。ぱっと見はただの若いにーちゃんだ。
そう。
商人さん、若いのだ。まだ二十歳そこそこ位の。
ティーさんレッドさんも同じ位に見える。
冒険者ならともかく、商人がこの若さでこんな立派な馬車持ちって、珍しいよね? 多分。
一体何の商売してるんだろ。
「---?」
何か言われた。
こっちを見ながら商人さんが何かを言ったから、自分についての事だろう。
ティーさんが頷いて答える。
「----」
スライムの灰色の脳細胞が再びフル回転! セリフを推測!
『このスライムは何ですか?』
『ペットです』
……多分違うな。どこの英語の教科書の例題文だ。
商人さんはもっと言葉が短かったから……。
『スライム?』
『ペットです』
さっきと内容一緒だし。
まあ飼われてる事は否定しない。
ごはんくれたら喜んでヒモになるよ!
こうやって会話の内容想像するのって、結構楽しいよね?
御者席からの眺めは面白かった。
すぐ前方に馬さんのお尻が三つ。筋肉すげぇ。
この大きな馬車を牽き続けるだけのパワーがあるのだ。
モンスターが相手でも、蹴りが決まれば勝てるかも。
真っ直ぐに伸びる街道。
ふと、自分達よりも先を走る馬車に気が付く。
街を出る時、他にも馬車があったから、それかな?
先に門を出てたのか。
護衛の姿はない。馬車だけみたいだ。
眺めていると、急にその馬車がスピードアップした。
どした?
ティーさんと商人さんも気付いたっぽい。
そこへ護衛の一人、リーダーさん? が馬を寄せて来た。
「--、---」
話しながら、路上を指差している。
なんじゃろな、とそっちを見た。
なんかいた。
草むらからワサワサと、道の上に何かが集まり始めていた。
目を凝らす。
………カエル?
追従蛙。
ゴブリンサイズの草色の蛙が、えーと、ひーふーみー………十はいないな。九匹?
あれ、モンスター?
それともただのカエル……だったら馬車は逃げないか。ピョンピョン跳ねたりはせずに、のそのそと馬車を追いかけようとしている。動きは遅い。
あれなら簡単に振り切れそうだ。
こっちはどうすんのかな?
「----」
商人さんがにこりと笑う。
リーダーさんが頷き返した。
リーダーともう一人の護衛が先行!
騎馬であっという間に蛙に詰め寄る。
戦闘開始か!?
と思ったら、そのまま蹴散らし始めた。
「ゲコォ!」
「ゲギー!」
馬に踏まれ蹴られ、悲鳴を上げるカエルさん。
あ、弱いわ。
ちっちゃいしな。
そらそーか。
何匹かは逃げて、いくらか空いたその場所へ、商人さんが操る馬車が突っ込む。
ガクン、と衝撃と同時に。
「「「ゲゴォォォ!?」」」
蛙の断末魔が響いた。戦闘終了。
結構揺れがひどかったけど、車輪は大丈夫かな。
荷台から聞こえた悲鳴は気のせいだ。
頑張れレッドさん。
その後は何事もなく、のんびりと馬車は進んだ。
やっぱりこの辺のモンスターは弱いみたいだ。
草原に何かの影を見つけても、それが襲ってくる事は無い。
ティーさんと商人さんはずっと喋ってた。年も近いから、話しが合うのかもしれない。
そしてまだ日も高い内に、自分達は小さな村に到着した。
モンスターがいる世界だからか、村の周りは丸太を連ねた防壁で囲んである。
一本一本を杭の様に地面に立て、空を向いた先端は尖っていた。
ただコレだけだと、力の強い大きなモンスターだと突破されてしまいそーだ。
防壁の周りに生えた草が、ちょっと気になった。
ミントみたいな葉っぱだけど、多分、ワザと植えられている。
あれ、ひょっとしてモンスター除けのとかだったり?
ゲームとかでも有るし。アイテムで雑魚モンスターが近寄らなくなるヤツ。
こっちの世界なら植物で有りそう。モンスターが嫌いな匂いがする、とか。
……後で食べてみてもいーだろうか。
好奇心がうずく。
村の入り口で、リーダーさんが門番らしき人に話し掛ける。すんなりと入れて貰えた。
今日はこの村に泊まるみたいだ。
馬車が停止するとティーさんがすぐさま降りる。荷台へと向かった。荷台には、うつ伏せで転がるレッドさんがいた。上着が脱がれて、何かを包む様に側に置かれている。
……ゲロですか?
ティーさんが声を掛けた。
「---?」
「……」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
頑張れレッドさん!
モンスターの名前を考えるのに苦労します。
「トードイーター」は英語でおべっか使いの意味です。




