ギルド《フリジア国マルカ支部》・4
誠に申し訳ありません……睡魔に負けた。
本日の分としてもう一話、夜に投稿予定です。
ジャーキー(干し肉)自体は食べても大丈夫だったらしい。
ただ、食べた直後に自分が硬直? 異変? を見せた事で、職員さん達は慌てたっぽいです。
ごめんなさい。
あの後、干し肉が捨てられてるの見ちゃいました。
ホントにごめんなさい。
多分毒とか入ってないです。普通の干し肉です。
自分の異変はアレルギー的なヤツです。
こっちの世界、アレルギーってあるの?
通じる?
騒ぎを聞いてやって来た、受付のおねーさんが解体場の人に怒ってた。
何かホントごめんなさい。
受付カウンターに戻った。
魔神様に言われた事を頭の中で反芻する。
ここはフリジア国。大陸南部の中小国。
青さんがいるのは南東のカラント平原……自分の足で四、五十日? だっけ?
有益な情報をゲット出来た。
周囲に迷惑掛けちゃったけど。うんごめん。
青さんとの再開は………もうちょっと後にしよう、と自分は考える事にした。
あちこち見て回って、経験を積んだ自分が、進化を果たしたその時。
どうせ会うなら、進化した姿を見せてビックリさせてやろう。
再開していきなりバトルになりませんよーに。
にしても、言葉は自分で覚えろって、酷くね?
だって辞書もないんだよ? ヒアリングにも限界あるよ?
まー、天才スライムな自分は、野菜の名前ならもうすでに覚えてるケドな!
フフフ、おじいちゃんおばあちゃん、是非新たなる野菜を持って来てくれ。
知識も栄養も丸飲みしちゃうよ☆
おっと、お客様だ。いらっしゃい!
ギルドの扉が開き、人が入って来た。そっちに目を向けると、学者っぽい男が、キョロキョロと辺りを見回していた。
依頼かな?
その後ろにいる、小柄な影。
お子さんかなーと思ったら。
ふと、外套から覗いた肌の色が、目に入った。
思わずカウンターから飛び降りた!
「--?」
おねーさんが不思議そうな声を上げる。
構わずにポヨポヨダッシュで小柄な人物に駆け寄った。
その足元から、見上げる。
コートに付いたフードを深く被っている。背丈は隣の学者さん? の腰よりももっと下。かなり小さい。
靴は履いてなかった。コートの下も、服とは言いづらい腰巻きのみ。
その肌の色は……緑。
「キュピー?」
ゴブリン(緑小鬼)さんだった!
ご、ゴブさん! 何でこんな所に!?
大興奮の自分。その場で飛び跳ねる。
でも相手はただ首を傾げるだけ。
あれ、もしかしてゴブリン村にいなかった?
「---?」
学者さん(仮)が受付のおねーさんへと話し掛ける。でもおねーさんも、こっちの事情を知ってる訳じゃないので、首を傾げていた。
うーむ、しかし残念。あの時ゴブリン村にいたヒトではないのかー……。
あー、でも、言葉が通じるワケじゃないし。結局青さんに伝言とか、無理だよねー。うん。
それにしても、周囲の人達は驚かないな。ゴブリンが街にいるのって、別に珍くは無いのかな?
おや?
ゴブさんの首に、銀色のチェーンが下がってるのが見えた。
ゴブさんが、オシャレをしている!?
驚愕する自分。
え、シルバーアクセ? 腰巻き姿で?
いや、それ以前に、靴は!?
もっと! 全体的な統一感を気にしようよ!
コーディネートはこうでねぇと。
ダジャレか!
話せない代わりに、心の内を表すべくポヨポヨ跳ねていると、何故かゴブさんまでジャンプを始めた。
「キュッキュッ」
ポヨポヨ。
「キュー、キュッ」
ポヨーンポヨン。
---心が通じ合った気がした。
「----……」
おねーさんの呆れた声が後ろから聞こえた。
カウンター脇のテーブル席で、学者さんとおねーさんはしばらく話し合ってた。
普通の依頼だったら、あの席は使わないんだよね。
何話してんのかな?
ゴブさんは静かにその近くで待機中。
んで自分はというと。
ゴブさんの頭の上にいた。
いや、自分で登ったんじゃないよ!
ゴブさんが乗っけてくれたの!
ジャンピングボディランゲージの後、嬉しそうに手を差し出してきたから、乗っかってみたら。
そしたら何故か頭に移された。
ギルド建物内の冒険者さん達にめっちゃ見られてます。
あれ。これって。
運動後の、ひえ○た?
話し合いが終わり、学者さんが席を立った。こちらを振り向いて………ぶふっと吹き出した。
受付のおねーさんは、明後日の方向を見ている。
……そんなに変?
しょーがないのでゴブさんの頭から飛び降りる。
ゴブさんはどこか残念そうにしていた。
そのゴブさんへ、学者さんが話し掛ける。
「クピー?」
え、ゴブリン語!?
応えるゴブさん。
「キュー」
通じてる!?
最後に学者さんはおねーさんへ軽く頭を下げ、ゴブさんと一緒にギルドを出て行った。
……ゴブリン語って、人間もマスター出来るのかー……。
それが今日一番の情報だったかもしれない。




