マルカの街《モンスター密売所》・2
頑張った、のか?
壺の中ボケッと過ごすスライムかな(字余り)。
---めちゃくちゃ暇過ぎて川柳詠んでみたスライムです。
脱出不可能な壺に入れられて、流石の天才スライムな自分も手詰まりを感じている。
これ、出されるまで待つしかナイな、というのが結論である。
だって自分の力じゃ壺割れないし。
ツルツルしてるから登れないし。
定期的にごはん(葉っぱ)出てくるし。
え、餌付けなんかされてないよ?
さて、壺の中にいるので周囲の様子は分からないけど、それでも音は聞こえてくる。
まるで獣のような---モンスター達の鳴き声だ。
いや、ただの獣なのかもしれない。今までに自分が普通の動物を見た事がないから、モンスターだと思ってるだけだし。
猫科っぽい唸り声とか、猿っぽい声とか、鳥みたいなのとか、多種多様だ。
動物園だってここまでうるさくない。
安眠妨害デス。
いや、実はよく寝てるけどね?
その鳴き声を聞いてると、苦痛を訴えられているような気がしてならない。
みんな叫んでいるのだ。
ここから出せ、と。
ここは、あんまり良い所では、ない。
ここに来て大体一週間くらい経ったのかな?
かろうじて昼夜の違いは分かるので、それに合わせて寝起きして、日にちを数えていた。
ごはんを食べてしばらく後、急に壺が持ち上げられる感覚がした。軽い浮遊感。
どうやら移動するみたい。それも自分だけ。
うわー、ヤな予感。
どうする事も出来ないし、様子見だな。
いざとなったら……。
ジャンピングスライムアタックを試してみよう。
膝カックンくらいは出来るかも。
自分は小さいし、逃げてしまえば隠れる事だって、出来るはず。
あ、そうだ。
石どうしよう。
うーん。……自分が捕まってる原因だと思うけど……今吐き出すよりは、逃げれた後に捨てる方がいいのか。
今捨てたとすると。
光らないスライムに価値は無い→殺処分へ→物理攻撃無効なので殺せない→珍しさで商品価値アップ。
--の流れになったりして。
フッ、それもこれも自分が魅力的なのが悪いんだな!
モテるスライムは辛い。
壺の揺れが止まった。到着?
移動距離はせいぜい同じ敷地内程度。建物からは出ていないと思う。
何のために自分は連れて来られたのか。
おお!?
壺がひっくり返された。飛び出る自分。
ポヨンと着地。
び、ビックリした。
誰だ! 急に無体を働くヤツは!?
はい、おっさんでした。
場所は薄暗い部屋……窓は無し。燭台があちこちに灯されている。
地下、だろうか。
ぐるりと見渡すと、いくつもの檻が壁側に設置されていた。
部屋の中央には広いスペースが確保されてる。
部屋にいるのはおっさん一人ではなかった。
護衛? いや、違うか。多分モンスターを取り押さえたりする人手かな?
荒事専門の匂いがプンプンします。
強面ばっかです。なんか顔面に爪痕くっきりな人とかいます。
あ、逃げらんないやコレ。
詰んだ。
仕方がないので自分が何に移されたのか、改めて確認。
そう。
壺から飛び出た先は、また別の入れ物だったのだ。
ガラスカップ?
形はワイングラスに近い。大きさは……人が両手で持てる程。
あらインテリアに最適。
中に入った光るスライムがオシャレです。
………商品化されてしまっている!?
上を見ればとっくに蓋をされていた。
ちょっと! 壺より狭くなっちゃったよ!?
非道い!!
抗議のためにポヨポヨ跳ねる。狭いので小ジャンプ。
おっさんは気付きもしなかった。
……?
ふと視線を感じた。
振り返ってみる。
誰もいない………あ!
壁側に並んだ檻の中、一番小さなものに影があった。
視線はそこから感じる。
お仲間、かな? よくは見えないけど、モンスターだろうか。妙に気になってしまった。
お互い不運だね?
スライムガラスカップが台座に置かれた。
台座は中央のスペースに設置。
本日の目玉商品?
あー、誰か客が来るとか?
オススメはこちらです、みたいな展開が待ってんの?
うわー……。
こーゆーのって、変態デブ貴族が来たりするテンプレでない?
うわーやだー。
あと商品の定番はレアモンスターとか、獣耳少女とかだよね。
自分はまさにレアモンだね!
と考えていたら。
さっき視線を感じた、小型の檻がこっちに移動されてきた。
燭台の明かりがようやく中に届く。
檻に入っていたのは--……。
まるで子供のような体格をしてて。
フワフワの癖っ毛は淡い色合いで。
獣耳ではなく。
尻尾も勿論なくて。
当然モンスターでは有り得ない姿をした。
--それは小人少女(合法ロリ)さんだった。
華がないので女の子を出してみました。ショタ案もあった。




