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カラント平原・2

今日は取り敢えず、三話まで。



ほかほかの生肉にかじり付くサイクロプス。

そしてそれを眺めるスライム(自分)。


長閑な平原はどこ行った。





バサバサっと羽音が聞こえてやっと我に返りました。


衝撃映像に魂抜けかけてたよ……。

ん、羽音?


そちらへと目を向けてみれば……。

と、鳥さん?


まさに猛禽な……鳥、さま?





ああ……お空にいる時はちっちゃく見えたんだよ(泣)。

鳥さん呼ばわりしてご免なさい。まさかこんな立派な嘴に、ぶっとい鉤爪、凶悪な眼差しをなさった巨大怪鳥だとは、思いもしませんでした……。


そしてやっぱり、生肉狙いなんだね!


ガツガツと辺りの生肉を貪り始める怪鳥。これって獲物の横取りでないの?

いいの?


気が付けばもう一羽。

ちょっと離れた所に舞い降りて、同じくお食事開始。

青さん……は気にしてないみたい?

い、いーのか。

太っ腹だな。


……どうしよう、エグいはずの現場が、段々普通のお食事風景に見えてきた。

なんかこう……野性的なレバ刺しみたいな?

レア推奨! みたいな。





そーいや洞窟出てから何も食べてないな……。


落ち着いてちょっと考えてみよう。


自分、今スライム。

スライムと言えば雑食性のゼリー状モンスター。

某RPGのモンスター代表とも言える人気者。超ぷりちーなマスコット的存在。

核が弱点とか実は手強いとか色々諸説あり。

要約すると、自分サイコー!


で、最も重要な部分としては。

雑食性。コレ重要。


いけるか?


……いってみる?


つまり……食べてみる?





そう、魔神様も言っていた。

スライムな自分は、食べ物で進化する(かも)と--。


よし食べよう。

スルスルっとさり気なさを装って肉塊の側へ移動。

だ、誰も気にしてないな? よね?


わぉ、間近で見たらやっぱエグい(泣)。


あー、初のモンスターらしい食事です。

これ食ったら、ケモ耳とか生えるのか? 誰得?

それとも狼さんになっちゃうの? ……そしたら青さんに即殺されてまうのでわ。

…………。

その時は逃げよう。





じゃあ、挑戦してみるか、ただのお食事だけど。

初・生肉。


いっただっきまーす!

パクリっと。





ま。


う。


!!

!!!





まっずーーーーーーーーーーーーーーー!!!?

うおげれるろ(自主規制)△○×□☆□×○△!?

なにどしてどゆことこれナニ何故に!

くっそまずーーーーー!!

は? なんでくっさ! 剣道部の防具と野球部のグローブとラグビー部のロッカー内の腐タオルとサッカー部の放置されてるスパイクシューズと柔道部の使い古した雑巾と水泳部の誰かの三年越し忘れ物のトランクスを全部足して寝かして発酵させた暗黒物質よりもヤバい臭い!!!

そしてマジめっちゃ超不味い!!!

ありえんナニコレ賞味期限十年過ぎた鯖缶と地面で潰れて腐ったトマトと検疫をすり抜けてうっかり輸入された汚染米で作ってみたなんちゃってパエリヤを恐る恐る味見したら吐き出しちゃった暗黒物質(その二)を煮凝りにした勇気ある一品が霞むくらい絶不味い!!!!!


変な、変な汁が出て来た。汗? 涙!?

思わず辺りを転がりのた打ち回る。

ナシ汁でなくスライム汁ぶっしゃー!

すまん! キャラネタ盗む気は無いんだ(大混乱)!

何か鳥が騒いでいるけどソレドコロデハナイ。


う、うおぉぉを……。

死ぬ。死ぬる。


ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。





ま、魔神様ーーー!!


叫んだ所で意識がブラックアウト。

助けて……。




賞味期限内の鯖缶と完熟トマトと食用米を調理してもパエリヤにはなりません。多分リゾットは作れる。

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