ダンジョン《山賊の塒》・1
まず先に、食事中の方すみません。
ヒュルルルル~…………。
ポヨーン。ポヨン、ポヨン……。
コロコロコロ。
無事? 着地。
とりあえずコロコロ転がってみた。
穴の中はほぼ垂直落下だった。
いや、途中で壁にへばりつく事も出来たかもだけど、なんかね?
穴の用途がね?
大きさ的にね?
……壁に張り付いてる所に、上から更に落とされて来たら、ヤだな、と。ぶっちゃけると、トイレ穴だったら目も当てらんないなと。
豚さん綺麗好きらしいし。オークはどうか知らんが。
現在地は……どこだココ。
辺りを見回す。
暗くてよく分からないけど、転がってみた感触では、地面は岩肌。
ひとまず、妙なモノは落ちてない事に一安心。
さて。どうしよう。
暗闇の中、沈思黙考する。あ、元々喋れんかった。
こうも暗くては、下手に移動も出来ない。
何か生き物の気配は……? しない、と思う。
広いかな、とは感じる。空気の流れ的に、こもったカンジはない。うん。
えーと、遭難時の心得は。
その場所を動かない? だっけ?
………うーん。
まあ、無闇に動くよりは、この辺にいとく?
何もいないみたいなら、移動するかな。
よし、それで。
く、暗いのが怖いんじゃないからね!
うむ。ヒマだ。
あれから大分時間が経った気がする。
ただボーっとしてただけでなく、1ポヨ2ポヨと数えつつの移動で、壁までの距離を測ったりしてた。
「1ポヨ」は一メートルと仮定しよう。
壁から壁までは7ポヨだった。高さは……よじ登るの、めんどいので不明。
奥行きは………どこまでも続いてそう。
はい、洞窟です。
うん分かってた!
そりゃそうだ!
水揚げされてからずっと洞窟だったもんね!
明かりが無くても洞窟は洞窟だよね!
これは……そろそろ移動してみるか?
特に危険は無いみたいだし。
と思っていたら。
ドズザザザザザザッ!
ぶふぅおっ!?
突然の物音にビビった。
何事!? あ、トイレ穴(仮)!
多分、上から何か落とされたんだな。
音だけだと、重くてそれなりの固さのモノっぽい?
「う」から始まって「ち」で終わるブツではないよね?
匂い……は、分かんないからなあ。判断つかん。
どしよ。
もう、移動する?
また何か落ちてくるかも。
………ん?
辺りの空気が変わっていた。
え、何このカンジ。
な、なんだ?
何かが、いる?
え、嘘、どこに………………。
上を見た。
何か。
たくさんの。
気配が。
---降ってきた。
ビタン、ボトン、ボヨン、ボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボト。
ボトン。
¥¢£%∞℃#&*@$§☆★○●◎◇◆※〒+-±×÷=≠<>≦≧∠⊥⌒∂∇≡≒≪≫√∽∝∵∫∬Å!!!!!!!!!!!
……………ハッ。
げんご……言語崩壊してた!
なんだ! いまの!?
う、うえから!
柔らかくて!
プヨンとしてて!
自分くらいの大きさで!
自分もぶつかっ、踏まれた? けどボヨンて跳ねて!
たくさん!
……。
……ん?
改めて、その降ってきた「モノ」へと目を凝らした。
暗闇で勿論見えない。でも、地面で何かが蠢いてるのは感じる。
多分、生き物だ。
ソイツらは、さっきのオークのトイレ穴から落ちてきた物に集ってるみたい、だった。
ぼんやりと、青白い光が現れた。
え。
ちょっとビックリ。
とても小さな光だけど、地面にいるソイツらを、うっすらと照らし出した。
水妖。
……………。
え。
もっかい確認。
水妖。
微かな光を、プルプルとスライムボディが反射する。
それが、辺り一面を埋め尽くしていた。
よし、叫ぼう。
はあああああああああああああああ!?
ただの1ポヨは一メートル弱です。ポヨポヨダッシュで勢いがあったら、一メートル強です。




