モリンガ大森林《緑小鬼の村》・3
注意! 虫が苦手な方はお気を付け下さい。
目覚めれば見知らぬ天井。
ここはどこ?
自分は………あ、スライムだ。
なんだ。ゴブリンさんの家か。
えーと確か昨夜は、謎のテンションではしゃぎまくったんだった。
自分が食べれるご馳走探して、アチラコチラをさまよい。
盛り上がってきたゴブさん達が踊り出したのに紛れ込み。
青さんのお酒をこっそり飲んでみて。
……自分にはただの水でした。求ム味覚!
白いご飯らしき料理があったから飛び付いてみれば。
白い幼虫てんこ盛りだった!
ゴブリン文化舐めてた!
皆さんフツーに食ってた! これぞカルチャーショック!
自分は草食です!
草食で良かった!
んで、いつの間にか寝ていたと。
誰かが運んでくれたのかな? と周りを見るも、誰もいない。
外は……明るい。
毛皮が敷かれた寝床から飛び出して、自分は家の外に向かった。
自分がいたのは広場のすぐ側の家だった。
目の前には、昨夜の宴の名残すらない、綺麗に片付けられた広場。
真ん中に生えてる巨木。
そして。
その根元で、もたれかかるようにして一つ目を閉じている、青さんがいた。
胡座をかいて、両腕は膝の上。棍棒はすぐ取れる位置に。
うん、何かに似ている。
どっかで見たコトあるような。
奈良とか。
鎌倉とか。
パンチパーマならば尚良し。
青さんはよく寝ているみたいなので、自分はそこらを歩いてくるかな?
右さん左さんはどこ行ったんだろ。
ポヨポヨと朝のゴブリン村を散策する。
煮炊き場を覗いてみると、女ゴブリンさん達がいた。
朝ごはんの準備?
闇狼の肉はまだ残ってるのかな?
眺めていると、果物を貰った。
やったね! ありがとう!
昨夜判明したコト。
果物いけました。
雑穀? いけました。
豆? いけました。
お酒いけました。
ゴブリンの酒(果汁を発酵させた物)? いけました。
植物性の食べ物は、自分、オッケーでした。
どれも無味無臭だったけどね!
でも食感の違いを楽しめました。
通だね!
あ、あのゴブリンさん。
土器の壺を頭に乗せて歩いてる。
他にもチラホラ壺持ったゴブさんの姿が。
追っかけてみた。
すると水場に到着。
岩から湧き水が流れ出ている。その周りを石で囲って、溜め池にしてあった。
水を汲むゴブリンさん。
なんか、いい所だなあ。
穏やかな憩いの場ってカンジだ。
葉っぱの朝露が光を弾いてて。
子供ゴブリンが水遊びをしてるし。
……うん?
何故こっち見る。
………。
あ。
昨日のちびゴブトリオ!
何で木の枝持ってるし!
来るな!
来るんじゃなーい!
逃げました。
ゴブリン村の入り口近くまで来てしまった。
ちびゴブトリオめ……覚えてろ!
村の外に向かうゴブリンさんの集団を発見。それぞれ手に袋を持っている。
果物とか採りにいくのかな?
森の中にある村だから、食べ物には困らなそうだ。
でもお肉はなあ。
ゴブリンさん、弱そうだし。狩るよりも狩られる側ってイメージだ。
だからこその、昨夜の歓迎の宴なんだろね。親分(青さん)大人気だ。
「「ギィ」」
あ、右さん左さん! こんな所に!
村の入り口、アーチを作る枝に怪鳥が二羽。門番?
やや体重オーバーなのか、アーチが微妙にしなっている。
……昨夜は食べ過ぎたの?
右さん左さんと一緒にゴブリンさん達を送り出す。
いってらー!
広場へと戻った。
青さん……まだ寝てた。
考えてみたら、昨日は闇狼の群れとバトったんだった。
疲れてんのかも。それか食べ疲れ?
ポヨンと跳ねて青さんの膝上へ。
起きるまで待っとこう。
しばらくボーッとしていたら、女ゴブリンさんが飲み物を持って来てくれた。なんと、自分にだ!
至れり尽くせり!
味分かんないケド、美味いよ! 心が美味いって言ってるよ!
感激してたらプルプル震えてしまったらしい。
青さんが目を覚ました。
すかさず青さんにも飲み物が運ばれて来る。勿論でっかい土器のコップだ。
ボヘーッと眺める青さん。
自分が思うに、青さん、低血圧?
朝が弱い。いつもこんなカンジだ。
ん、なんだろ。
「キュー」「キュピー」と喧騒が聞こえてきた。さっきの採集ゴブリンさん達が戻ってきたっぽい。
青さんの膝から下りて、そっちに向かう。
おかえりー!
袋をパンパンにしたゴブさん達をお出迎え。
すぐ戻って来たって事は、朝ごはんの分だけ採ったのかな。
地面に置かれた袋の中を覗いた。
おや、もぞもぞ動いてる……?
白い幼虫再び。
ギャーーー!!
広場でゴブリンさん達と朝ごはんを食べた後。
自分達は、村を出発した。
ゴブリン村、いー所でした。
知ってる? 幼虫って、生の時は半透明なんだぜ!
カルチャーショック!!




