根雪3
暫し獣道を駆け、すでに獣耳の少女の姿は森の木々の中に消え去っている。
試練だの楽しそうにしていたグレイグの表情も自然と引き締まっていた。
そりゃ森の中をタワーシールド担いで走ってれば大抵そうなる。
それにしても…
「おかしいですね。」
「お前さんもそう思うか。」
グレイグのつぶやきにやはりと頷く。
「依頼が出てから短すぎますね」
獣道と称したものの人ひとりが進める程度の道がぽっかりと開いており、その中をずれることもなく進んでいた。
「こりゃ単なる小妖魔狩りじゃすまなそうだな。」
「逆に言えば多少生存の目が出てるともいえるでしょうけれどね。」
恐らくは、多少知恵のある小妖魔が混ざっていることを推測し、即座に子供のスープを拝む可能性は減ったことを喜ぶべきか、目の前の神の使徒のように試練と喜ぶべきかは多少の迷いが生まれる。
どちらにせよ、急げばまだ間に合うだろう。
「少し元気が出たようですし先を急ぎましょうか。」
グレイグの軽口に軽く眉を挙げて頷き、歩を進める。
恐らくは行われているであろう『儀式』がまだ終わらないことを願って。
タイトルはこのまま根雪で進むと思います。