表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Monster everyday  作者: 久遠瑠璃子
2/3

吸血鬼 ヴァレン・ウォーカー

――ヴァレンside(サード)――




暗闇に包まれた洋館を、淡い月明かりが照らし出す。

月明かりで照らされて明るいテラスへと続く扉に手を掛ける、白過ぎるその手。

美しくも、あまりの白さに気味悪さも際立(きわだ)たせる。

射し込む月明かりのせいで白さに拍車(はくしゃ)が掛かっていた。

テラスへの扉を開け放ち、男は夜空を見上げる。

男は綺麗な夜空で淡い光を放つ、美しい満月を目にして微笑む。

「――綺麗な満月だ」

一歩、テラスへと踏み出す。

夜風が(からだ)を撫でていく。

テラスの手摺(てす)りへ腰掛けて、美しい満月を見つめる。

この満月だけは、いつの時代も変わらない。

美しい光を放つのも、変わらない。

男――ヴァレンは静かに目を閉じる。

今日のような満月の日は、いつも思い出してしまう。

〝ごめんな、ヴァレン……〟

悲しげに、優しげな表情で微笑んだ兄の姿を。

首筋への痛みと、甘美な血の匂い。

そして、目の前に居た兄が風に流されながら砂になっていく姿を。




――――ヴァレン・ウォーカーは吸血鬼(ヴァンパイア)だ――――




ヴァレンは閉じていた目をゆっくりと開く。

開かれたその()は、魅入(みい)ってしまう程に美しい紅色(あかいろ)

ゆっくりと息を吸い込んで(うた)い出すヴァレンには牙が見え隠れする。

思い出の唄を口遊(くちずさ)みながら、ヴァレンは兄との思い出を思い返す。

――自分が吸血鬼(ヴァンパイア)になった時の事を――

もう、何千年前の話になるだろうか。

ヴァレンには、唯一の肉親である兄が居た。

兄の、ヴァイン・ウォーカーと。

二人で、この洋館で暮らしていた。

両親が亡くなる前に(ゆず)ってくれた、この洋館で。

森の奥深くに存在する、この洋館で。

たった二人では広過ぎるこの洋館での暮らしは、快適だった。

快適だったのだが、兄に不可解な事が多々ある事に気が付いた。

今までだって一緒に過ごして来た兄弟だが、当時ヴァレンが知っていた事はほんの一握りだった。

夕方になるまで、ヴァインは起きて来ない。

完全に夜行型の人間だと思っていた。

日が(のぼ)っている間外出する事が無い為、透き通るような白い肌をしていた。

普通よりも少し(とが)った八重歯も、ヴァレンは好きだった。

正確に言えば、当時のヴァレンとヴァインでは活動時間が真逆だったのだ。

だから、ヴァレンは知らなかった。

ヴァインが吸血鬼(ヴァンパイア)だと言う事を。

それに、先入観だったのだ。

ヴァインはヴァレンが幼かった頃から、ずっとそんな生活だった。

まるで吸血鬼(ヴァンパイア)そのものの牙だって、ずっと八重歯だと思い込んでいた。

大人になるにつれて、ヴァインは夜行型の人間なのだと思い込むようになっていた。

そんなヴァインの秘密を知らず、ヴァレンは共に暮らしていた。

兄は自分と同じ、至って普通の〝人間〟だと思いながら。

しかし、その日ヴァレンは見てしまったのだ。

一ヶ月程姿を見せないヴァインが心配になり、その日ヴァレンは兄の部屋を訪れた。

扉を開けた刹那(せつな)、部屋に漂うのは血の匂い。

カーテンの開いた窓から射し込む、淡い月明かりが部屋の中を照らす。

広いその部屋には、多くの女性が横たわっていた。

何十人という、多くの女性が。

皆、首筋から血を流して倒れていた。

息をしていない事は、すぐにわかった。

何故ならば、血の匂いに混ざって鼻を付くような腐臭がしたからだ。

大勢の女性達の亡骸(なきがら)に包まれ、月明かりが射し込む窓には。

吸血行為を行う、ヴァインの姿があった。

腕に抱いた女性の血を全て吸い尽くしても、ヴァインは女性を放そうとはしなかった。

必死に、()えを(しの)ごうとしているようにさえ見えた。

やがて、吸血出来ない事に気付いたヴァインが女性を解放する。

血さえ吸えればもう用済みなのか、腕に抱いていた女性が床へと崩れ落ちる。

暗闇の中で、紅色の瞳を光らせて。

月明かりに照らされる口元は、真っ赤な血で汚されていた。

口元だけではなく、喉や胸元にまで血で汚して。

現実では信じられない光景に、ヴァレンは目を(みは)った。

非現実的だ、こんな光景は。

夢を見ているに決まっている。

恐ろしい姿のヴァインと、視線が絡み合う。

刹那、ヴァインが我に返ったように目を大きく瞠るのが見えた。

気が付いた時には、ヴァレンは自室に向かって駆け出していた。

自室に飛び込み、扉に鍵を掛けると頭を抱えて(うずくま)った。

ヴァインの姿が目に焼き付いて、頭から離れない。

そこで、ヴァレンはようやく気が付いた。

よく考えてみれば、ヴァレンの記憶の中にあるヴァインは〝今の姿〟だと言う事に。

物心付いた時からヴァインは、あの頃から容姿が全く変わっていない。

老いていく事はなく、いつまでも若々しかった。

二十四歳になったヴァレンよりも、ずっと若い。

その事に気付いた瞬間、ヴァインが本当に吸血鬼(ヴァンパイア)なのだと気付いてしまった。

随分(ずいぶん)と年上な兄が居る。

二十歳程、年が離れている兄が。

しかし、何年経とうがずっとその若さが保たれていた。

日を浴びない夜行型だから、その若々しさを保てるのかと思っていたが本当は違う。

ヴァインが夜行型だったのは、吸血鬼(ヴァンパイア)だったから。

あの八重歯は、吸血鬼(ヴァンパイア)である証拠だ。

あの透けるように白い肌だって。

それに、子供の頃の記憶が(よみがえ)る。

ヴァインに抱き上げてもらった時の事。

〝おにぃちゃんって、おててがつめたいね〟

〝――うん。凄い冷え性なんだ〟

ヴァインはそう返したが、あの冷たさは。

生きた人間の温もりではなかった。

考えれば考える程、ヴァインが吸血鬼(ヴァンパイア)だという証拠しか思い浮かばない。

ヴァレンはヴァインの実際年齢も知らなかった。

兄について何も知らなかったのだと、強いショックを受けていた。

いや、本当は兄ではないのかもしれない。

ヴァレンがそう思っていた時だった。

コンコン。

静かに、扉がノックされた。

扉をノックする人物は、この屋敷にはヴァインしか居ない。

身体が飛び跳ねる程にヴァレンは驚いた。

心臓が、止まりそうな程に。

いつも優しかった兄が。

とても優しかったヴァインの、衝撃的な姿が脳裏に蘇る。

恐怖から、声が出なかった。

「――ヴァレン、すまなかった」

扉の向こうから、ヴァインの声が聞こえる。

幼い頃からずっと、聞き慣れたその声が。

「いつか、お前に話そうとは……思っていたんだ……」

悲しげなヴァインの声が、耳に届く。

ゴツンと、扉から音が聞こえた。

扉に(もた)れ掛かっているのだとすぐわかる。

ヴァインが扉に頭を凭せ掛けたのだと。

「……本当に、悪かった……」

ヴァインの、震えた声が耳に届く。

泣いているのが、すぐにわかった。

泣いている事に気付き、ヴァレンは扉の方を見つめる。

「――俺の事、怖がってるだろ……?」

不安気な声が、耳に届く。

確かに、あんな光景を目にすれば誰でも恐怖を感じるだろう。

今までずっと、普通の人間だと思っていた相手が。

まさかの、吸血鬼(ヴァンパイア)だったのだから。

だが、ヴァインだからだろうか。

それとも、泣きながら謝って来るからだろうか。

不思議な事に、ヴァインに対しての恐怖感が無くなっていた。

ヴァレンは恐る恐る、鍵を解錠して扉を開けてみた。

そこには先程の姿はまるで嘘のような、至って普段通りのヴァインの姿があった。

ただ一つだけ違うのは、先程とは服装が違うくらいだろうか。

ヴァレンが扉を開けた瞬間、ヴァインはふわりと笑ってみせた。

「確かに怖かったけど、兄ちゃんは兄ちゃんだから。吸血鬼(ヴァンパイア)でも、僕のお兄ちゃんだから」

ヴァレンがそう告げた刹那。

全く温もりのない腕に抱かれていた。

先程まで全身の血を吸い尽くした女性を抱いていた、その腕で。

「ごめんな、ヴァレン……。驚かせて、悪かった……」

「もう、大丈夫だよ……」

今にも壊れてしまいそうな背中を、優しく抱き締め返して告げる。

まだ血の匂いが残っており、脳裏に先程の光景が蘇った。

温もりのないヴァインを抱き締め、改めてヴァインが吸血鬼(ヴァンパイア)なのだと思い知った。

ヴァインが落ち着きを取り戻した頃、月明かりのみの部屋でヴァインは教えてくれた。

「――正確には、俺はお前の兄じゃない。俺の血が流れてるのは間違いないが」

「っていう事は、(ひい)お祖父さんみたいな感じ?」

「もう、何億年も生きてるからそんなもんじゃないだろうな」

苦笑しながら、ヴァインは呟く。

驚愕(きょうがく)的な事をヴァインは言っているのにも関わらず、もうヴァレンは驚かなかった。

大体そうだろうなと、先程思ったからだ。

「それに、この洋館だって元々は俺のものだ。まぁ、祖父から受け継いだっていうのは間違ってないな」

「ねぇ。そうなると僕にも吸血鬼(ヴァンパイア)の血が流れてるの?」

「いや、流れてない。お前はただの人間だ」

「それなのに、どうして曽お祖父さんなの?」

吸血鬼(ヴァンパイア)でも、人間のように子孫を残す事は出来る。力の継承は出来ないけどな」

「そっか……」

部屋に、静寂が訪れる。

月明かりが淡く照らす中。

ベットに並んで腰掛けて、ヴァレンは隣に居るヴァインに尋ねた。

「僕のお父さんとお母さんは、知ってたの?」

「嗚呼、知ってた。みんな、知ってた。知ってて、俺と一緒に過ごしてくれた」

「そうだったんだ……」

「お前には、今まで話して来なかった事を全部話さないとな」

「うん。全部教えてくれる?」

「嗚呼、全部答える。だから、なんでも聞いてくれ」

「やっぱり、太陽が苦手なの?」

「苦手だな。当たっても死にはしないが」

「えっ、死なないの!?」

そこには流石(さすが)に驚いた。

吸血鬼(ヴァンパイア)というものは、太陽の光を浴びたら砂になると思っていたからだ。

そうでは、ないのだろうか?

「俺は、死なないな。俺の祖父母は光を浴びた瞬間に砂になったけど。両親辺りで、俺達吸血鬼(ヴァンパイア)も進化したんだろう。あ、でもにんにくは普通に嫌いだな」

「十字架も?」

「嗚呼、それは見たくもない」

「そこはやっぱりそうなんだ」

「でも、噛み付いても噛んだ相手も吸血鬼(ヴァンパイア)にはならないな」

「え、そうなの?」

「嗚呼、普通はならない」

どうやら、太陽の光と噛み付いた相手も吸血鬼(ヴァンパイア)にはならない話以外はヴァレンの知っている通りの吸血鬼(ヴァンパイア)だった。

他にもヴァインは色々と話してくれた。

ヴァインが過ごしていた時代では、吸血鬼(ヴァンパイア)は多かったらしい。

その時代にはまだ、〝純血の吸血鬼(ヴァンパイア)〟が居たらしい。

〝純血の吸血鬼(ヴァンパイア)〟は、ヴァレンの知っている吸血鬼(ヴァンパイア)そのものだった。

日の光を浴びれば、砂になる。

噛み付いた相手も、吸血鬼(ヴァンパイア)になる。

だから吸血鬼(ヴァンパイア)が多く存在していたのだと。

だが、吸血鬼(ヴァンパイア)が多くなった上に人を襲う被害も多くなったので〝吸血鬼狩り〟が行われたらしい。

(くい)を心臓に打ち込まれて死んだ友人も居たと話してくれた。

ヴァインの場合、心臓に杭を打ち込まれても死なないらしいが。

吸血鬼(ヴァンパイア)が少なくなり、ヴァインの一族は吸血鬼(ヴァンパイア)の生き残りだったらしい。

祖父母は人間に見つかり、陽の光を浴びて砂になってしまい。

両親も吸血鬼狩りに捕まってしまったらしい。

そうして、ヴァインが本当に吸血鬼(ヴァンパイア)の生き残りになったと言う。

永久(とわ)の時を一人で生きるのは苦しかったと、教えてくれた。

そこで一人の女性と出逢い、ヴァレンの先祖を産んだとも話してくれた。

「――もう吸血鬼(ヴァンパイア)を増やす事は、出来ないの?」

「恐らく出来ない。力を継承すれば、自分は力を失うから意味がない」

ただし、力だけはずっと継続する事が出来るとヴァインは呟いた。

部屋に再び、静寂が訪れる。

時計に視線を向ければもう深夜の三時過ぎだった。

すると、隣に座っていたヴァインが溜め息を(こぼ)した。

「――本当は、あんな姿見せるつもりなんてなかった。でも、最近やけに飢えるんだ。どれだけ血を摂取しても、足りない……」

「そう、なの……?」

「喉の(かわ)きが、全く()えないんだ」

ヴァインはそう呟き、自身の喉へ手を当てた。

吸血鬼(ヴァンパイア)の渇きはわからなかったが、それでも必死に自分に当て()めてみる。

喉が酷く渇き、水分を採っても喉の渇きが癒えない。

それと同じだろうかと少しだけ考えた。

ヴァレンが必死に自分に置き替えて考えていると、ヴァインが微笑んで頭を撫でてくれた。

「もう、怖い思いはさせない。だから、安心してくれ」

「うん……」

その日以降、ヴァインは昼でもヴァレンに構ってくれるようになった。

陽の光を受けた時は流石(さすが)に寝込んでいたが。

ヴァレンに夜更かしをさせない為にと、ヴァインの気遣いだろう。

ヴァレンが眠ると言い出した時はいつも、子守唄を()かせてくれた。

全く聴いた事のない曲だったが、聴く度に心が癒されていくのを感じた。

だが、一つだけ不可解な事があった。

それは、〝あの日以来〟ヴァインの吸血行為を目にしなくなった事だ。

いや、〝あの一度きり〟しか目にした事がなかった。

屋敷の何処かで密かに行っているわけでもなかった。

酷く飢えると言っていたはずなのに。

どんなに血を飲み干しても、渇きが癒えないと言っていたのに。

(むし)ろヴァインは、〝人間らしく〟振る舞っていたのだ。

そして、その日が訪れた。

満月が、綺麗に輝く夜の事。

テラスに出て、二人で満月を見上げながら話をしていた。

吸血鬼狩りが行われる前は、色んな生き物が居たと教えてくれた。

狼男と仲良くなった事があるやら、魔女狩りが行われる前に魔女とも仲良くなったと。

色々な事を、本当に話してくれた。

「やっぱり狼男って、満月を見たら狼になるんだ」

「嗚呼、よく満月に向かって()えていたな」

「それって、半分狼で半分人間なの?」

「俺の知っている狼男はそうだったな」

「へぇー……」

いつまでも、この生活が続くと思っていた。

ずっと、一緒に居られると思っていた。

僕の命が()ちるまでずっと、傍に居てくれると思ってたのに。

「ねぇ、メデューサとかにも逢ったの?」

空想上の生物ばかりを思い浮かべながら、ヴァレンはヴァインの方へと視線を向け――

ヴァインを目にした瞬間、思わず身動きが出来なくなった。

あの夜目にした、紅く光る瞳。

不気味にも、綺麗にも思えてしまうその瞳。

ヴァインの美しい紅い瞳に、魅入ってしまっていた。

不意に、ヴァインがヴァレンを抱き寄せた。

どうしたのかと聞こうとして口を開いた、その時だった。

「――ごめんな」

耳元で、そんなヴァインの声が聞こえた。

刹那、右の首筋に激痛が走った。

あまりの痛みに声が出ずにいると。

耳元でヴァインがヴァレンの血を飲み、喉を鳴らす音が耳に届いた。

自分も、あの女性のように全身の血が無くなるまで吸い尽くされるのかと思いながら目を閉じた時。

吸われていくだけのはずの牙から、何かが送り込まれるのを感じた。

違和感から目を開くと、ヴァインが首筋から口を放して――

悲しげにも優しく、微笑む姿がヴァレンの瞳には映った。

口元を、ヴァレンの血で汚して。

月明かりに照らされるその姿が、妖艶(ようえん)に映って見える。

「ごめんな、ヴァレン……」

ヴァインが悲しげに呟いた。

優しい手付きでヴァレンの頬を撫でてくれるが……。

その腕が、砂へと変わっていく。

砂になっていくヴァインの姿を目にしてヴァレンは目を瞠る。

ヴァインはただ悲しげに、優しい微笑みを浮かべるだけだ。

ヴァインへ手を伸ばすよりも先に、ヴァインの躰は全て砂へ変わってしまい夜風に(さら)われてしまう。

風に攫われてしまう、砂になったヴァインを必死に(すく)い集めようとした時。

全身に、激痛が駆け巡る。

「ぐっ……ぁ……」

ナニかが、全身を(むしば)んでいく。

まるで躰の作りを、変えていくかのように。

激痛が全身を駆け巡る中、ヴァレンは必死に砂を。

ヴァインを()き集めた。

涙を零しながら。

零れる涙で、砂を濡らしながら。

――その日、ヴァレンは知った――




――――力を継承させる代わりに、不死であるその身に〝死〟が訪れるのだと――――


































ヴァインが唄ってくれた子守唄を歌い終わり、ヴァレンは胸へと手を当てる。

胸には首から掛けている、砂となったヴァインが入った小瓶が。

触れた小瓶を、小さく握り締める。

今ならば、ヴァインが子孫を残した理由がわかる。

終わりなき、永遠の命を持て余すのは実につまらない。

けれどヴァレンには、子孫を残す勇気がなかった。

そうしてしまえば、ヴァインと同じ結末を迎えてしまうような気がしたからだ。

「――珍しい客人が来たね」

テラスの手摺りから庭を見下ろし、ヴァレンは微笑む。

訪問者なんて、この洋館には訪れない。

それは、ヴァレンが吸血鬼(ヴァンパイア)になる前からそうだ。

ヴァレンは微笑んで、訪れた訪問者へと告げた。

「どうぞ、上がって行って。お茶でも用意するよ」


























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ