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彼の画策と彼女の愛

なんか…由香里ちゃんが可哀相に…


そして、良樹は自問自答する。


彼らを落とすやり方を…。


彼らを落とすためだけにつくられた、ヒロイン狭山由香里。

彼女はそのヒロインだけあって生徒会を落としやすい容姿をしているからね。


補佐の初恋の彼女はアニメキャラに似た茶色の長い髪の可愛い子。


副会長の好きな人形は茶色の長い髪に茶色の目。


書記が愛する犬はふわふわした茶色の毛色に茶色の眼。


会計は5人も姉がいる反動か、ふわっとした綿菓子の様な甘い女の子に憧れている。


生徒会長はマザコンを拗らせているから、母親と似ていない子が好きって思い込んでいる。


婚約者のあの子は母親と同じ黒髪で凛々しく潔い感じがよく似ている。


彼は親とまったく違う髪の色にコンプレックス持っているし、狭山由香里の天然であんなに明るい髪の色も珍しい。それに、彼女も親と違う色だ。


そこも共感ポイントだね。


狭山の娘っていう身分もちょうどいいしね。


今まで寄り付いていた女は身分に相応しくないって拒絶しているからね。


普通科っていう、自分より実力がないのに高位の娘なんて彼女ぐらいだ。


脱落者は近付けないし、寄りつくのは十家以下で高神の妻には、ふさわしくない身分の娘ばっかりだもんな。


勇者を尊敬していないのも、身分を気にしていないのも、好感度が上がるな。


ゲームの登場人物だと思っているから勇者に興味がなくて、下に見ているだけなことに気付いていないもんな。


自分より実力がなくて、身分も下の者が、自分を見下すわけがないって思いこんでいるからな。


この国にとって勇者は御三家をつくった神のような存在の始祖の再来だったから、尊敬している者ばかりだ。


でも、勇者によって魔王は完全に滅ぼされた。


魔がいなくなったこの世界に、もう神はいらない。


必要のない時代に生まれた勇者にそっくりなヒーローか…。


不憫な男だけど…自分の状況に気づけるチャンスもあったはずなのに、それをつぶした自分が悪いんだから、ヒロインと一緒につぶしちゃってもいいかなぁ。


そう黒く笑う良樹だった。



そしてヒロインは愛を語る。



良樹の指示通りに他の役員は落ちたわね。

後は正明を嫉妬させれば、私を婚約者としてつなぎとめるはずね。


だいぶ、婚約者の愚痴こぼしているもの。


可愛らしく、頼ってほめていれば満足なんだもの。

ばかな男よね。


でも、あんなのに言い寄るのも良樹の為だもの。私頑張るわ!


好感度のバロメーターは見えないし、イベントも良樹攻略に必要なのしか覚えていないのよね。

ほとんどはスキップしちゃっていたし。

でも、本当に良樹の言うとおりにしていたら上手くいったわ。

ほんとうにちょろいわね。


でも…ほんとに変な奴ら…


寂しい幼少期に依存していた犬を亡くしてからは人間不信になった書記。

そんな彼の前に愛犬そっくりな由香里が現れた。


書記は鈴がついたゴムで、ツインテールにして上目づかいで小首をかしげる。

犬っぽく…って犬?

えっ…この犬に似てんの?



人形好きの副会長の実家の部屋は人形だらけ、そんな彼がもっとも愛する人形は…。


副会長が一番好きな人形…ジ〇ニーちゃん?えっどうすればいいの?

私ね!って語尾にねを付ける…人形ってこの世界だとしゃべるの?

あっ公式設定なのね…びっくりした。

カチューシャをつけて、このメガネをかけるのね…




会計が愛するのはフリルにレースにリボンが似合う女の子。

自室には女の子らしい物があふれている。


会計はふわふわな長い髪のレースやリボンが似合う子が好き…このイメージ画…いつの少女マンガよ?にっこりと甘い香りを漂わせ趣味は編み物とお菓子作り…やったことない…卵も割れないかも…しかもあんまり甘いもの好きじゃない…


意外に裏で、大変だった由香里だった。


良樹とメールでしかやり取りできないなんて…でも、許されない恋人同士の秘密のやり取りみたいね。

うふ、私の事色々書いて送ってあげよっと。もっと、返事くれてもいいのにな、筆不精なんだから良樹ったら、そう微笑みながら細かく指示されたやり方に素直に従う由香里だった。


彼女の良樹に対する妄想力は半端なかった…。


そう、彼の指示は全て部屋に置かれていた携帯のメールのみだった…通話ですらないって…。


GPSと盗聴器付の携帯。


もちろん足がつかないように、良樹の番号も違うものだった。


それほどまでに、接触を避けた良樹の意図には全く気付いていなかった…。


携帯のほかにも、生徒会役員を攻略するために必要な品が、自室の机の上に勝手に置かれていることにも疑問を持たない由香里だった。


入られてるよ…由香里ちゃん…照れ屋の良樹の愛のこもったプレゼントなんて喜んでいる場合じゃないよ…絶対に愛はこもっていないから…。


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