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そして補佐は落ちた

攻略編スタートしました。

「しかし、どうやって落とすんだ?っていうかあの女のレベルで大丈夫なのか?」


失礼なことをいうが事実、残念なヒロイン由香里に彼らが落とせるとは思えなかった。


「弱味をついたり、コンプレックスから救えば簡単に惚れるって彼女は思い込んでいてね。勇者の予言めいた発言は知っているだろ。彼女も勇者と同じだとしたら、先が分かるのかも知れないと思ってね。

生徒会の弱みを知っているのか探ってみたら、知っていたんだよね。僕の調べた弱味とも一致するのがあったから、あり得ないとも思ったんだけど、生徒会補佐に試したら惚れた」


自白剤を使ったことと、乙女ゲーム妄想を黙っているために、由香里には先を見る力があるのかも?で押し切る良樹だった。


普通だったら騙されないであろう正輝も、勇者と同じと言われるとつい納得してしまうほど、勇者は超人扱いされていた。


また、それを言うのが良樹だということも重要だろう。


彼が威圧感を持って話すときは知りたくもない恐ろしい裏がある時ばかりなので…。


そう語る良樹に歯切れの悪さに疑問を感じる正輝だったが、補佐が惚れたという発言にその違和感は吹き飛んだ。


そう、良樹の目論見通りに…。


「あの花言葉マニアか?」


「うん。奴が花の前でボソボソ言っている時に花言葉好きなの?素敵ね!って褒めさせたらね」


「それだけ!?」


そんなことで惚れるのかと懐疑的な正輝に良樹は続けた。


初恋の女の子に花言葉好きを否定されて失恋したことが原因で無口な女性不審だったんだけど、その子に否定された記憶を、狭山由香里で上書き出来たらしくってね。


そしたら、彼女に懐いたんだ。


なにしろ、初恋の子の名はゆかちゃんで、茶色の長い髪のかわいい子だったらしいよ。


もちろん、狭山由香里とは別人だけどねと補佐攻略を締めくくる良樹だった。


説明されても、納得できない正輝だったが、実は補佐が初恋の子に惚れた理由は好きなアニメキャラに似ていたからである。


そのキャラの女の子が花言葉が好きだったから彼も花言葉が好きになったのだった。


それを否定されたことが女性不審というか三次元の女性不審だった。


良樹は彼がそのアニメキャラのグッズで部屋をいっぱいにしていることを正輝には内緒な非合法な手段で知っていた為に、キャラに似た由香里が花言葉を囁き、優しげに近寄れば、もしかしたら大丈夫かもという思惑の元に由香里をそそのかして補佐に接触させたのだった。


もちろん彼もこんなにも上手くいくとは思っていなかったので、あまり重要視していなかった補佐から攻略を始めたのだった。


思いがけない結果に何よりも驚いたのは良樹だった。


「しかしよく言うこと聞くな、彼女。不審に思わないのか?」


補佐のチョロさに驚きながらも、由香里に疑問しか感じられない正輝だった。


「僕のこと自分の恋愛のサポート役だって思いこんでいてね。僕はキューピッドらしいよ。だから、扱いやすくて怖いくらいだよ。それに正明があの子とあの女を比べはじめたんだ。もう一押しかな?他の役員にとられそうになると本気になると思わない?」


そう黒い笑みで正輝に問いかける良樹だった。


魔王に一番近い男が愛の天使…心臓を打ち抜くのには確かに得意そうだが…と内心考えていた正輝だったが、何か変なこと考えていない?と良樹に問われ、慌てて微笑みながらボーガンを心臓に向ける良樹の想像をかき消した。


正輝君…キューピッドはボーガンなんて殺傷力が高そうな物は使いませんよ…。



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