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そして彼は彼女の秘密を知った

良樹さん犯罪者フラグたちました。

良い子は絶対に真似をしてはいけません!

「良樹、あの女の狙いはわかったか?たびたび、正明と会っているっていうのは報告うけているが」


そう聞く正輝は実家の方を探らせていたが、狭山が彼女を高神に近づける理由が分からなかった。


自分たちが彼女の婚約者候補に挙がっていることはわかったが、それ以上のことは分からなかった。


「彼女の過去を調べていたら、ちょっと面白い事が分かってね。勇者との共通点があるんだ」


「なに!勇者だと!」


そう興奮する彼は勇者の子孫の事情を知ってからも、相変わらず勇者にあこがれていた。


「幼少期に人格が突然、変わったらしいんだよね。高熱と頭を打った違いぐらいで、わけの分からないことを話すことも同じでね」


それだけかよとぼやく正輝を目を細くして威圧しながら彼は話を続けた。


「勇者の口グセだったテンプレという言葉をあの女も口にしていた」


お前また盗聴したんじゃないだろうなと胡乱な目をして見てくる正輝を無視して良樹は語る。


「この口癖は意味が解らないとして歴史書からは消されている。君も知らなかっただろ。これは勇者と親しかった先祖の日記を読む機会がないと知らないはずだ。狭山は勇者に関わっていないから彼女にそれを知る機会はない」


そう言い切る良樹だが、実際は彼女の妄想による矛盾を完璧に理解していた。


ただ、それを知った方法を正輝に知られたくないので勇者の情報でうやむやにしたのだった。


もちろん、正輝も裏があることは感じたが知ることの方が怖い気がしたので深く問い詰めることはしなかった。本能で生きている正輝の身を守る術だった。


実は、良樹さんを攻略するにはあの男の婚約破棄が必要なのよね!どうしたら…本見ながらやっていたからいまいち記憶が…そう呟く彼女を盗聴して聞いていた良樹。


彼に犯罪意識はない。


なんか、使えるかも?あの女が近付いているのは正明だけ、っていうか僕狙いでなんで婚約破棄が必要?

まぁ、嬉しいけど僕が幸せならそれでいいっていう自己犠牲的な精神の持ち主とは思えないな。

正輝にばれないように自白剤でも飲ましてみるかと考え、実際に行動に移したのだった。



犯罪ですよ、良樹さん。



そして彼は彼女の乙女ゲーム転生して自分がヒロインという妄想を知った。


乙女ゲーム?ゲームなんて無いからよく分からないけれど自分を主役に仮想して選択肢を選んで結末を変えられるアニメみたいなものかな?


あの女の妄想によれば僕たちはゲームの登場人物か。


実際に生きているとは思っていないから、あんな身勝手なのか…。

ただの妄想にしては凝ってるし、あの女が知るはずもない情報もあるな。


それに勇者との共通点が気になったな。

彼もこんな妄想を持っていたのか?彼が妻の条件を残したのは…子孫に妻がらみの問題が出て来ると予測していたからなのか?


ありえそうだな、ご先祖様の日記によれば、ずいぶんと先見の明があったそうだし。

今の電化製品なんかは彼がこんなのが欲しいって語ったものを試行錯誤の上、作り上げたものばかりだ。


そんな世界を知っていたからこその発言だったのか。

でも、彼はゲームなんてものは広めなかった…その理由は分からないけど、ずいぶんと優しい人だったらしいからな…。



情報を整理して彼は決めた、今後の方針を。


僕を自分の物にする為に、彼女を魔王になんて、そんなこと考える奴に遠慮は無用だよね。


よしあの女を利用して正明をあやつろう、ついでに生徒会も落とそうかな。

奴等より弟達の方が見込みがあるしね。

実力もないくせに僕に歯向かうから、うざったかったし。


でも、正輝にゲームがうんたらって言ったら絶対に可哀相なものを見る目で見られるよね。

正輝のくせに…。


怒られるのもウザったいから薬使ったなんて言えないしな…後遺症もなくて安全なのに…

半日ぐらい記憶無くすぐらいなのに…



良樹さん!それ相当な犯罪ですから!正輝によってこの世界は守られているのかも…?



そうして彼は勇者好きの正輝を勇者情報でうやむやにすることに決めたのだった。





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