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旅の楽しい報告会

 二人は本日の成果を聞かせてせてくれた。

と、言っても私はこの国とこの街の人や物流等の情報収集を期待していたのだが…。


「すごいのーーーー!! お菓子!! 見た事の無いお菓子でいっぱいだったの!!」


 エミーが興奮している。彼女は大の菓子好きで良く、服の至る所に隠しお菓子を持っている位なのだ。そう。彼女の愛馬がエクレア。紛れも無くケーキから取った名である。

 そんな彼女の好奇心を刺激するような街であった様だ。

 当初の予定よりそっちの方が勝ってしまった様である。

 ため息を吐くしかない。

 リディアも疲れながらその時の様子を報告してくれる。


「もう、凄かったんだから…。すぐ目を離すとあっちへ行ったり、こっちへ行ったり! 少しは控えないと太るわよ!」

「大丈夫だよ~。これ位じゃ太らないもん!」

「~~~っ! 可愛くないわねっ! ちょっとイリアからも何か言ってやってよ。本当に街で情報収集の最中この子ったらお菓子ばっかり買い求めてたんだから!」


 そのやり取りを見ていたらリディアから抗議を受けた。


「エミー。菓子好きなのは良いが、本来の情報集はちゃんとやってたのか? やってなかったとしたら……その菓子の類は没収にするぞ?」


 その言葉を聞き、エミーはあたふたし始めた。


「だ、大丈夫だよ!! この次に行く街の情報をお菓子屋さんに聞いたから!! それに物資とかその他諸々もちゃんと調べてるよお~!」

「ほう?」

「えっとね、此処は港町って言う事もあって観光目的のお客さんの為に名物の品が置かれているの。

 物流にしてもここがフルス大陸の玄関と言っても良い位。他国からの交易船が次々と来てたから、人の流れもある。

 特に仕事にあぶれる事も無いし、小さな子供でもお手伝いして、賃金を貰う位の依頼がギルドにもあったよ。

 それにこの街は治安維持向上の為に力を入れていて物騒な人達は厳しく取り締まってるみたい」

 

 ふむ。それで住民はみな穏やかで活気がある生活を営んでいると言う事になるな。

 それにしてもおこづかい稼ぎが出来る依頼まであるのか…。

 良い、政策を行っているな。

 そんな風に感心していると、エミーは更に興奮して話。


「私が買ったお菓子も他国の特産品って事。凄いよねー! 選り取りみどりで、迷っちゃった。でね、次の街は何と! 国自らが主導してお菓子の街を作ったらしいの!」

「お菓子の街…?」

 エミーの報告はどうもお菓子から離れない。私はそれとなく視線をリディアに送るとリディアは深いため息を吐いた。

「どうもそうらしいの。この国って農業や酪農が盛んで、そこから生み出されたのがお菓子。上流貴族向けから庶民までありとあらゆるお菓子で産業が成り立っているのよ。んで、私達が進んで行く進路はその中でもこの大陸中の菓子を集めた街で有名らしいのよ…」


 …もう何故エミーがさっさと街に入る事を選んだ理由が分かった。

 ウンディーネ殿と私を二人きりで会わせたいと言う気遣いもあるだろうが、ちゃっかりエミーの欲求を満たす為の作戦でもあったと言う事だ。

 まあ、こんなに長い期間それも他所の国を旅出来る機会等早々無いのだから、良しとするか。何と言っても二人は私の親友兼腹心なのだ。これ位の事はしても良いだろう。

「成る程。情報収集もやっているなら構わない。元々、今回は気晴らしも兼ねているから煩く言わないつもりだ。久々の長期休暇の長期旅行。ゆっくりと堪能しておけ」

「勿論~!!」

「は~~。ったくエミーの趣味ばかりなんてずるいわよ…」


 今度はリディアの方から文句とため息が吐き出される。それを見て、エミーはにっこりと微笑んだ。


「ふっふっふっふっふ! ちゃ~んとリディアちゃんのもそして勿論イリアちゃんの趣味も兼ねた進路を取ってるわよ~~~!」


 見よ! とばかりにエミーはマップを取り出して机の上に広げる。そのマップにはヴォ-ルまでの進路が書き込まれ、別紙にその計画表が事細かに書かれていた。


「こ、これは…!!」


 その紙を見た途端にリディアの目が輝く。


「そう! お菓子の街の次の目的地はこの大陸で一番の名所温泉街があるの!! どう! これならリディアちゃんも文句は無いでしょう?」

「流石だわエミー!! はあ~~。温泉に浸かれるのね……。他国の温泉なんて一体何年ぶりかしら…」


 リディアの目が既にうっとりとしている。そう彼女は大の温泉好きなのだ。国内の温泉には休みの度に浸かりに行っている位なのだ。それが今回は他国のしかも有名所の温泉街。リディアがうっとりとするのは明らかだった。

 まあ、これで二人の好きな所には回れる所になる。だが、先程エミーは私の趣味も兼ねたと言っていた。私はそのまま地図を見ながらフルス大陸先端の街の名を見て驚きに目を見開いた。

 その場所は世界でも有名な闘技場がある。

 世界各地から兵共が集まって日頃の鍛錬の成果等を試すのに打って付けの場所だ。

 しかもトーナメントに勝ち抜けば賞金も貰えるし、冒険者ランクも上がると言う冒険者や傭兵等にとっては有名になれる可能性を秘めた憧れの場所だ。

 そして組み込まれた日程が…。

「??!」

 私は驚きに目を見開いた。

 そんな私に気付いたのかエミーはにこーっと笑って言った。


「私達本当に運が良いよね! 闘技場でも年に一回しか開催されない特別な大会の日にこの街に滞在出来るんだから!」


 エミーが言った闘技場でも年に一回しか開催されない特別な大会。これは普段の闘技場トーナメントとは違い、冒険者組合や傭兵団等も関わり、その中でも最強の称号を頂くランクSSの者が特別にこの大会を征した者の相手をしてくれると言う特別な大会なのだ。

 冒険者ランクSSの人間はこの世界でもほんの数名しか存在しない。

 そんな彼らの誰かと戦えるのだ。

 腕に自身のある者が押し寄せるに決まっている。

 確かに此処最近、低級の者ばかり相手していたせいで運動不足感が否めない。ある程度鍛錬は欠かさないでいるが、やはり物足りないと思ってしまっていたのも実情だ。まあ、これはストレスだ。主に馬鹿姉とか馬鹿姉とか馬鹿姉とか馬鹿姉とか馬鹿姉とか。

 エミーの言う通り、運が良い。最近の腕慣らしとそしてストレス発散を兼ねる事が出来る。正に私の趣味と実益を兼ねた抜かり無い選択場所だ。


「こう言う情報収集はお前がやっぱり一番だな」

「でしょ!」


 私の言葉にエミーはにっこりと答えた。


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