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主人公は正義感でこの世界を生きる。

 銀河連合軍、特殊有人戦闘機ドミニオンのパイロットは艦内を走っていた。その艦はCV。かなりのRFを展開できる艦。その代わり直接的な攻撃力はほぼ持たない。対空システムを持つくらい。直衛はRF、ほとんどの行動をそれで補う。


 有人機はドミニオン。それのみ。その専用パイロットがユウ カンバヤシである。


 ユウはいつものトレーニングを終え、シミュレーションを行う。何度も。本来なら、実機を使った訓練もしたいのだが、コストがかかるので止められている。


 ユウは、特機に乗るために訓練を、勉強をやって来た。その甲斐あって専用パイロットになることができた。


 彼は先読みできるスキルをもっている。何秒か前を見ることができるのだ。とはいえ、それは結構ぼやけている。とりうる未来は無数にあるのだ。しかし、数多くスキルをこなしていくと、とりうる可能性が高いものを認識できるようになってきた。時間も何秒前から十数秒前に。


 このようなスキルは。ごく稀に発生していると聞いた。それは自然発生的なものなのか、それとも他の要因があるのか、それはわからない。


 が、彼にはやらなければならないことがある。。


 あいつらに鉄槌を。


 彼の両親は、政財界の有力者だった。どちらかというと革新派の人材で、恨みも多かったのだろう。ある時、事故を装って暗殺された。妹はいきのこったが、未だに入院したままだ。


 だから、軍内部で昇進し、協力出来る権力者と手を組み、両親を、暗殺した連中に復讐する。それか彼の目的。


 が、いま、その障害になるやつがいる。

 

「俺と同じようなスキルを持つ奴が敵にいる」


 そう、ドミニオンのビームカノンを狙撃し、センサーを焼いた奴が。本来なら未来予測で対応できるはず。なのにダメージを受けた。多分相手はスキルを持っているはず。そうでなければ納得できない。


「せこい奴め。無人機で戦いやがって」


 スキルを持つ動きを見たのは最初ではない。多分何度か戦場で会っているのだ。その都度撃墜しているのだが、相手は無人機。何度でも復活してくる。


「せこい奴は嫌いだ」


 やはり、大元を、撃破するしかないか。と、ユウは思った。しかしミサイルなどの威力が高い武器は開発に時間がかかる。一撃で宇宙艦を破壊するのは難しい。


「いや、パイロットを殺せばいいんだ。艦橋をつぶせはおしまいだ」


 ここで、彼は頭をふる。いや、それではこの世界での悪人と同じだ。ただ、自分は正義を執行していけばいい。


 両親を殺した連中を倒すことができる。その為には軍人として、エースパイロットとして、モルモットとして有能さを示していかなければならない。


 シミュレーションを続けていると、艦長から連絡がくる。面談があるそうだ。ドミニオンの運用についてらしい。


 彼は艦長室に出向した。そこで、転属を言い渡される。


「転属、ですか」


 艦長は端正ななまず顔。が少しほっとしたようにユウに言った。


「ドミニオン運用のための専用艦が訓練を終え、実働可能となった。君は今後その艦で特殊任務につくことになる」


「特殊任務ですか?」


「そうだ。大規模犯罪対応部隊と言われている。ユウ特務中尉はそこで軍事力か、それに準ずる戦力相手の警察行動をとることになる」


 そうか、ならあいつを何とかできるな。


 あいつまであとわずかだ。

 

 そう、ユウは、ある男を狙っている。軍高官。両親を殺した男。実行班。敵の一人。


「専用艦の名前はアークエンジェル。巡洋艦クラスでありながら重巡洋艦クラスのRF搭載能力を持つ。この艦種のデータベースはフィードバックされ、他の艦に導入される」


 なるほど、特機と同じか、と、ユウは思った。


 新型艦や特機のデータは他の艦やRFのために使われる。ある意味、ドミニオンは実験機なのた。そして新型艦も。


 彼は思わず笑う。協力者も順調に昇進してあるのだ。


「まあ、赴任まではしばらく時間がある。それまでは我々RFオペレーターの訓練をしてくれ」


「わかりました」


 退出するのユウ。しかし、そのあと自嘲する。


「俺は教師向きではないんだがな。第一、有人機のセオリーが無人機に使える筈がない」


 基本的にユウの操縦は感覚的なものだ。もしかしたらスキルか有るのかもしれない。がそうでなくとも教えるのは困難だ。


 ユウは、自機の状態と移動加速やベクトルを皮膚感覚で捉えている。それはRFでは不可能なことだ。パイロットになってからわかる感覚。多分大型艦船の操艦手の中にはわかる奴がいるかもしれない。がその反応はなるべく軽く、早いほうがいい。以前乗った耐久性内航空機の感覚に近い。


 

 が、現在の戦争はRFの打ち合いと捉えられている。ミサイルの射ちあいと変わりない。ならば人を乗せないほうが効率的だし人道的だ。


 最もユウはその考え方をバカにしている。元々戦争は大きな殺しあいだ。そんなのに効率や人道を入れるな。いや、ルールの一つかよ、とか思う。


「ま、上官の言うことだからな。従いますか」


 万が一、優秀なパイロットが生まれても必ず成果をあげることが出来るとはかぎらない。ユウもこの立場になるまでは特機を壊したりしたことも多い。まあ、長く生きれば何とかなるだろうとか思う。


 勤務を終え、自分のコフィンに入る。あとは寝るだけ。そこでメールか来ているのを確認した。


 まずは病院から。妹の容態。悪い。未だに意識が回復していない。


 たまたまユウは、特機の試験で家族と別行動をしていた。それは彼を苦しめる。もしかしたら一緒にいたら、家族を救えたかもしれない。その思いは今も消えない。そして、復讐の炎も。


 もう一つはアークエンジェルの艦長から。彼女は、ユウの協力者の一人。彼女は宇宙連合の参加国の一つ、そこの王女。宇宙連合は色々な国の連合体。主要五か国を、中心に各国が議決権を、持つ国家だ。主要国の一つで王国。そして彼女はユウの手助けをすると言っている。その代償は力を貸すこと。妹の手助けもしてくれている。そして、今狙っている敵の名前を教えてくれた。


「ハーモニーのダレル アプライド」


 共和国の関係者でハーモニーの工作員。軍人でもある。


 ハーモニー、国家間の平和を第一として暗躍する秘密組織の様なもの。その為に不正や汚職は正当化する。あらゆる国や企業に入り込みその目的の為活動する連中。


 そして敵の組織の名でもある。


「必ず、殺してやる」


 彼は共和国の軍人。一応停戦はしたものの、火種はどこにでもある。


「あと、宙賊退治でも続ければ、嫌でも会うな」


 その時はおまえの最後だ。


 彼は休む。このあと、まだまだやることは多いから。今はちからを蓄えるのだ。と。







用語解説


RF 遠隔操作戦闘機。武器持ったミサイル。手足も持つので遠隔作業も可能。原則武器は本体に接続しているので手足は自由に使える。追加武器とかを手足に保持させることもあり。


CIC 戦闘情報指令室。基本的にここで指揮管制を行う。艦橋は別。こちらは基本的に艦の操作を行う。この世界ではCICに艦長。艦橋に副長が入る。RFオペレーターはCICに入る。


CL 戦闘艦の略称。巡洋艦。武装し、RF4機を同時に管制できる。あと、大気圏突入可能な最大級の艦船。


CA 重巡洋艦。武装し、RF6機から8機を同時に管制できる。大気圏突入は出来ない。


DD 駆逐艦。武装している。RFの管制能力を持たないか持っていても1から2機。大気圏突入能力を持つ。


CV 空母。近接防衛用の武装のみ装備。RF管制能力は10機以上。非常に大型で一つの都市と言える。


 戦闘艦の大きさは、だいたい百メートルから五百メートル。それ以上の艦船は輸送用のものとなる。

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