こうでなくっちゃ
「まだまだいくぞ!うおお!」
にゅうめんマンは、続けて多麻林を激しく殴った。
「ぐっ!」
これはある程度きいたようだが、多麻林は攻撃をこらえた。
「なんだ今のへなちょこパンチは?そんな攻撃で俺を倒せると思うな!」
多麻林は、にゅうめんマンにお返しのボディーブローをぶち込んだ。
「ぐふっ」
多麻林のパンチは強烈だったが、にゅうめんマンもどうにかこれをこらえ、再度反撃した。しかし、またしても耐えられてしまった。
「きかんと言ってるだろ!」
多麻林は、前のボディーブローよりもさらに激しい一撃をにゅうめんマンの腹に叩き込んだ。前のダメージも相まって、にゅうめんマンは少しふらふらした後、尻から床に崩れた。
「ぐぐっ。この野郎。やるじゃないか」
多麻林の顔を見上げつつ、にゅうめんマンは言った。
「尻もちをついておきながら口だけは達者だな」
「達者なのは口だけじゃないさ。見てろ」
多麻林の攻撃も強いが、にゅうめんマンの耐久力もまた天下一品だ。にゅうめんマンはすぐに立ち上がり、何メートルも後ずさった。
「何をする気だ」
と多麻林が言うと同時に、にゅうめんマンは助走をつけて、2度目のドロップキックを敵にぶちかました。多麻林もこれにはたまらずノックダウンした。
「うぐぐ……さすがはにゅうめんマン。こうでなくっちゃ盛り上がらないよなぁ」
ほどなく多麻林も立ち上がり、にゅうめんマンがやったのと同じように、前を向いたまま何メートルか後ずさった。にゅうめんマンが身構えると、多麻林は敵に向かって激しく突進し、体当たりをしかけた。にゅうめんマンも体当たりで応戦したが、細身で体重が軽いのが災いしたのか、多麻林との体当たり勝負に負けて、軽く弾き飛ばされた。
だがこれは痛手にはならず、大勢に影響はなかった。にゅうめんマンは一瞬倒れてから間を置かずに立ち上がり、多麻林に歩み寄ってローキックを入れた。
「しゃらくせえ」
多麻林はにゅうめんマンを殴って反撃した。にゅうめんマンもさらに殴り返した。そんな調子で、しばらくは単純などつき合いになった。
にゅうめんマンたちはおおむね互角に殴り合ったものの、負の感情によって力を高めている多麻林が優勢になった。勢いを得た多麻林は、にゅうめんマンに言い放った。
「しぶといやつめ。ここらで一気に勝負をつけてやる」
多麻林がそう言うと、体にまとう暗黒の霊力が急激に高まった。
「くらえ!マシンガンパンチ!!」
多麻林は、目にもとまらぬ速さで、にゅうめんマンの体に無数のパンチを叩き込んだ。
「ぐああああ!」
にゅうめんマンは多麻林の猛攻にたえかねて力なく床に倒れた。こうして転倒するのはもう何度目だろうか。――だが、それまでよりも状況は悪化していた。蓄積したダメージが大きくて、にゅうめんマンは立ち上がることができなかった。




