表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヌードル戦士☆にゅうめんマン  作者: 奥戸ぱす彦
1章 鞍馬山の怪人
3/64

万休そば

ここで、秘書が淹れたての緑茶を持って来てくれたので、にゅうめんマンは礼を言ってこれを飲んだ。相当いい茶葉を使っているらしく、信じられないぐらいうまかったので内心動揺したが、これくらいでびびっていては正義のヒーローの体面に関わると考え、平静を装って話を続けた。


「その怪人とやらの特徴をなるべく詳しく教えていただけますか」

「あまり多くのことは分かっていません。今判明していることは、異常な身体能力を持っていることと、鳥みたいな顔をして、背中に羽がついているということだけです」

「鳥ですか……」

 にゅうめんマンは、少し考え込んでから、ポンと手を打った。


「分かりました。それがどういう人物か」

「本当ですか」

「ええ。そいつはきっと、鳥が好きで仕方がなくて、鳥のかっこうをしている変人です」

「そうかなあ……」

 重役は納得がいかない様子だった。


「怪人の正体はともかく、どうです、この話引き受けていただけるでしょうか。危険な仕事ですし、報酬は弾みますよ」

「そうですね。怪人を追っ払うことは問題ありませんが、それを引き受ける前に、1つ前から気になっていることをお話ししてもいいですか」

 相手は少しいぶかしそうな顔をしたが

「どうぞ」

 と答えた。


「万休電鉄さんは『万休そば』というチェーン店を経営なさっていますね?」

「はい」


万休そばは、万休電鉄が自社路線の駅構内や駅前に多くの店舗を展開している、安くて早くてまあまあうまい立ち食いそば屋だ。全部で30店舗以上あることを考えれば、関西屈指の規模のそば屋チェーンだと言えるだろう。


「この飲食店、改善の余地があるのでは」

 にゅうめんマンは言った。

「何が問題でしょうか」

「名前ですかね」

「名前?」

 思いがけない指摘を受けて、重役は面食らった。


「『万休そば』は分かりやすくていい名前だと思いますが、何かいけない点が?」

「ええ。『万休にゅうめん』に改名すべきではないでしょうか」

 ますます思いがけない提案を押し付けられて、重役は困惑した。


「しかし、万休そばでは、そもそも、にゅうめんを提供していませんよ」

「それがまず問題です。そばなんか食べてる場合じゃありません」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ