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縁は異なもの味なもの  作者: 婀能緑茶
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出会い②


「ちょ、ちょっと待って。色々確認したいことはあるんだけど、その前に。えっと、ごめん。君は誰…?」


「ふえっ?!私たちのこと聞いてませんか?!今日から忍さんのとこでお世話になる蒔田です!私は次女の長閑のどかですっ」


「…oh…」


 思考停止。思わず変な声が出てしまった。完全に思い込みをしていた。男単身の家に子どもを預けるなんて、同性に違いないと。事前に人物の情報を誤魔化すなんてふざけたことをするのは過去に会ったことがあってサプライズにするつもりなのだろうと。


 まあ、そんなことはなかったわけだが。

 というか、普通に…


「えっと、長閑ちゃん?ちょっと電話するから待ってね。」


「あ、はい。どうぞどうぞ。」


 困った様子を一瞬見せたが、すぐに意図を理解したのか少し距離をとってくれた。なんて空気を読める子なんだと感動しつつも、今はとにかくこの現状を生み出した原因の一端に電話を掛ける。


「どういうことですかね、お母様ぁ??」


 準備をしていたかのようにワンコールで電話に出た母にどういうことなのか確認、もとい問い詰める。つもりだったのだが。


 『どうもこうも、そういうことだから』


「いやいやいや!ダメでしょ!?独り身男性のとこに女の子を住まわせるとか!」


 いくら親の許可と本人達の同意を得ているからといって、周りの目というものがある。のだが…


 『まあ諦めなさい。そのかわり-----』


 どのみち、色々手配したもの・手続き関連が既に終了していたため今更拒否もできない。ただ、こうなると予測していた両母から代わりの条件が追加で提示され、諦めを通り越し、呆れたまま通話は終了となった。


「…なにを考えて…はあ。ごめん、お待たせ。」


 通話を終了し、長閑に向き直る。大丈夫です、とニッコリ笑いフォローを入れてくれる。愛想がすこぶるいい子なことに軽く感動を覚える。


「えっと…なんだかすいません。ウチの母が無理を言ってたみたいで。」


 あはは、と困った様子でこちらとしても少し返答に困ってしまう。この子達が何か悪いことをしたわけでもないし、こちらにも確認不足だった落ち度もあるわけだし。


 2人して謝罪大会になりかけた矢先、長閑の後ろから近づいてくる1人の女の子に気がついた。その女の子も自分と長閑に気付いたのか小走りで駆け寄ってくる。

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