怖い話
「怖い話していいですかー?」
下校中に突然、後輩が俺にそう切り出した。
「ヤダって言っても、どうせ話すんだよね?」
「流石、せんぱいー!そのとーりです」
そう言って後輩が笑うが、心なしか目が笑えていない様な気がした。
後輩の話によると、ある日電車で接触事故があったらしい。酒によっていたのか知らないが、女性が駅のホームから転落した。
その際、女性の近くにいた人が、とっさに女性の手首を掴んだが、自分も落ちると判断して手を離し――そのまま女性は電車に轢かれたそうだ。
なんとも後味の悪い話だ。付近にいた人の判断は間違っていたのだろうか。そんなこと誰も分からないというのに、俺は思わず暗い顔をして考え込んでしまった。
「まあ、あたしも本当は話したくなかったんですけど。」
なんとも言えない後輩の声が聞こえた―――。
<解説>
「まあ、あたしも本当は話したくなかったんですけど。」
⇩
「まあ、あたしも本当は離したくなかったんですけど。」
女の手を離してしまったのは後輩だった。
意味がわかりましたか?
5段階評価、いいね、ブックマーク追加お願いします!
リア友の小説も見てください!
ID 2348904 (KEN)
ID 2275095 (神川兄妹)
また、お会いしましょう!