表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/133

死神の中にいるドラゴン

 午前二時四十分


「で……できた。ついにできたぞ」


 目に隈を作ったレイジは嬉しそうに笑みを浮かべた。

 彼が笑みを浮かべている理由は一つ。

 新たなロボット型魔道具を完成させたからだ。


 そのロボット型魔道具は白い装甲に覆われており、翼の形をした推進器が背中に搭載されていた。

 まるで天使のような人型ロボット。


(これを作るのに寝ずに三日間……がんばった)


 フゥ―と息を吐くレイジ。

 今、彼は達成感と疲労感を感じていた。


「完成……したんですね」


 背後から聞こえた女性の声。

 振り返ると、そこには三人の女神がいた。

 ハデス、アテナ、ポセイドンの三人だ。


「おう……これでゼウスは復活できるな」

「はい……本当にありがとうございます」


 ハデスは深く頭を下げた。

 ハデスだけではない。ポセイドンもアテナも頭を下げる。


「すまんが……あとは頼む。俺は寝る」

「はい。おやすみなさいませ。ご主人様」


 レイジはベットの上に倒れ、目を閉じる。




「ん?……ここは」


 ベットの上で寝ていたはずのレイジは、いつの間にか知らない場所にいた。

 その場所はとても広く、白い空間。


「なんか……アニメでよくある展開……ん?」


 レイジは大きな扉を見つけた。

 その扉には竜の絵が描かれていた。


「……」


 無意識にレイジはその扉に近付いた。

 すると扉が勝手に開き始める。


「おい……なんだよアレは……」


 扉の先にあるものを見て、レイジは呆然とした。

 今、彼の視線の先にあったのは、




 大きな……そして神々しい漆黒のドラゴンだった。


 そのドラゴンは無数の角と六枚の美しい翼を生やしていた。

 ドラゴンはいくつもの強固な鎖で縛られており、動きを封じられている。

 そして眠っているのか、目を閉じていた。


「……こいつはいったい」


 レイジはドラゴンに近付く。

 その時、ジャリッと何かを踏んだ音が彼の耳に聞こえた。

 足に視線を向けると、地面にはいくつものちぎれた鎖が落ちていた。


「……マジでなんなんだこいつは」


 レイジはドラゴンに触った。

 次の瞬間、ドラゴンの身体を縛っていた無数の鎖が大きな音を立ててちぎれた。

 半分以上の鎖がちぎれた後、ドラゴンはゆっくりと目を開き、レイジを見る。


『……ああ、遂にここに来てしまったのですね』

「喋った!?」


 まさかドラゴンが喋るとは思わなかったレイジは、驚く。


『あなたがここに来たということは……もうすぐ私が目覚めるのですね』

「……お前は……お前はいったい……なんなんだ?」

『私は……あなたの力です』

「どういう意味だ?」

『目覚めることのないはずの力……永遠に封印されているはずの力……それが私です』

「目覚めることのないはずの力……永遠に封印されているはずの力……?』


 ドラゴンの話を聞いていたレイジは嫌な予感を感じた。

 だが嫌な予感がしても、聞かずにはいられなかった。


「もっと……もっと詳しく教えてくれ。なんでその力を俺は持っている。なぜお前は封印されている」

『……あなたは強敵と戦いすぎた。そのせいで私は目覚めようとしているのです』

「質問に答えろ!お前は……!」

『私が完全に目覚めた時……あなたは』







『望まぬ運命をたどるでしょう』

 読んでくれてありがとうございます。

 気に入ったらブックマークとポイントをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ