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メロラの才能

 王族専用の戦闘訓練所にやってきていたレイジとメロラ。

 二人は動きやすい服装をしている。


「さてメロラ姉様。質問です。あなたの長所と短所を教えてください」

「長所?短所なら分かるけど……」


 メロラの言葉を聞いてレイジは「やっぱり」と思った。


 アニメ『クイーン・オブ・クイーン』でもメロラは自分の才能に気付くのは最後の最後のほう―――つまり、レイジに殺される直前なのだ。


 アニメではレイジに殺される直前、メロラはある才能を開花させる。

 そしてレイジに深い傷を負わせた。


「ボクはお母様のように剣の腕はすごくないし、身体能力も普通……」

「確かにメロラはアーサーお母様のような強さはない」


 レイジの言葉を聞いて、メロラは落ち込む。

 そんな彼女に言う。


「だけどメロラ姉様にしかない強さがある」

「例えば?」

「付与だ」

「付与?それって武器に魔法やスキル、属性を宿らせて強化する?」

「そ。試しにこの短剣になにか付与して振るってみてよ」


 レイジはスキル短剣を生み出し、メロラに渡す。


「……分かった。火属性付与」


 メロラがそう言うと短剣が赤く輝き出す。


「えい!」


 メロラは短剣を振り下ろした。

 直後、短剣から巨大な炎の斬撃が放たれる。

 炎の斬撃は地面を切り裂き、焼く。


「これって……」

「それがメロラ姉様の才能だ」


 メロラの属性適正LVはそこまで高くない。

 火属性と光属性が3。それ以外は1と2。

 そこそこ強い魔法しか使えない。

 だが武器や肉体に付与する力は化物クラス。


 メロラの神魔体質は超付与……つまり強力な付与ができるというもの。


 メロラの付与能力はレイジの付与能力を超える。


「メロラ姉様。アーサーお母様みたいにはなれないが超えることはできるかもしれない」

「本当!?」

「ああ、きっとね」

「なら頑張る!」


 嬉しそうに笑顔を浮かべるメロラを見て、レイジは微笑んだ。


 その時—――大きな爆発音が突然聞こえた。


「な、なんだ!?」


◁◆◇◆◇◆◇◆▷


 爆発が起こったところに急いで向かうレイジ。

 爆発が発生した場所に到着。

 

 彼の視界に映ったのは、激しく戦う四人の女性達。


 一人は鎧型魔装を纏い、大剣型魔道具で戦うアーサー。

 二人目は刀型神装で戦う神楽。

 三人目は二本の長剣型神装で戦うサルマール。

 四人目はノコギリのような神装で戦う絶理。


〈九剣の戦乙女〉の四人が火花を散らしながら激しい戦闘を繰り広げていた。


「って、なにやってるんですか!」


 レイジは慌てて止めに入った。


◁◆◇◆◇◆◇◆▷


 その後、なんとか四人の戦いを止めることができたレイジ。

 英雄同士の戦いに苦労し、レイジはボロボロ。


「……事情は分かりましたが喧嘩はほどほどにしてください。城が壊れてしまいます」


 レイジは〈九剣の戦乙女〉に叱った。

 流石に大人げなかったと思ったのか、四人は反省している。


「ごめんね~」

「すまない」

「悪かったよ」

「ちょっとやりすぎたかな」


 レイジはハァとため息を吐き、アニメのことを思い出す。


(そういえば〈九剣の戦乙女〉は一度喧嘩すると止まらないんだったな)


〈九剣の戦乙女〉は仲が悪いというわけではない。

 むしろ困難を共に乗り越えた大切な仲間という関係。

 なのだが一度喧嘩をすると周囲の物をぶち壊すほど激しく戦う時があるのだ。

 もしレイジが止めなければ、今いる城は崩壊していただろう。


「それで……神楽会長。俺を抑止力に使いたいんでしたっけ?」

「うん~そうなるかな~」

「……分かりました。俺を抑止力にするなりなんなり好きにしてください」

「いいの~!?」

「はい」


 レイジにとって世界の抑止力になるのはあまり面白くない。

 利用されているようで。

 だがそれで犯罪が減り、多くの人が平穏に暮らせるなら利用されるのも悪くないと思った。


「じゃあさ~じゃあさ~。もう一個だけお願いがあるんだけど~」

「なんです?」


 神楽は真剣な表情で告げる。


「正式に……私の娘と婚約してほしい~」

 読んでくれてありがとうございます。

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