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決闘

「君に……決闘を申し込む」


 アーサーの言葉を聞いて、レイジはそう来たかと思い、目を細める。


(どうやら本気で俺のことを逃がさないみたいだな)


 竜人族には決闘で決めることがある。竜人族にとって決闘は命よりも大切なもの。

 敗者は勝者に必ず従わなければならない。

 もし決闘に勝てば、相手から好きな人を奪い取ったり、国の王様になることができる。

 かつてアーサーは平民出身のギネヴィアという竜人族の男と結婚するために、反対する貴族たちと婚約者の貴族の竜人族を決闘で叩き潰した。

 そしてアーサーはギネヴィアと結婚したのだ。


(アーサーは手に入れたいものは必ず手に入れるまで諦めない。ここで決闘を断っても彼女は俺をこの国から逃がさないだろう。なら)


 レイジは覚悟を決め、告げる。


「その決闘……受けて立つ」


 レイジの言葉を聞いて、アーサーは笑みを浮かべる。


「僕が勝ったら君は僕の息子になる」

「俺が勝ったら家族のもとに帰らせてもらう」

「いいよ……決闘は明日。闘技場で行う。楽しみにしてるよ……レイジくん」


◁◆◇◆◇◆◇◆▷


 その後、レイジは豪華な部屋に案内された。

 デカすぎるベットに座ってレイジは明日のことを考える。


「アーサー……どうやって勝つか」


 アーサー・ペンドラゴンはアニメ『クイーン・オブ・クイーン』の中で最強のキャラクター。

 全属性適正LVは0で、魔法は使えず、スキルは一つしかない。

 だがその代わり化物クラスの戦闘能力と身体能力を持つ。

 特に厄介なのは竜神属性という特殊属性を持っているということ。


 竜神属性はアーサーしか持っていない属性で、戦闘技術と攻撃力を上げるという効果を持つ。


 アーサーの竜神属性の適正LVは5。


 レイジが万能型ならアーサー王は近接戦闘特化。

 邪神教の教皇ジャンヌ・ダルクとは別の意味で厄介な相手。

 小細工は効かない。

 アーサーに勝つには、


「真正面から戦うしかないよな」


 それしか思いつかなかった。


「だけど今の俺で真正面からやっても勝てない」


 アーサー王は戦いにおいては弱点がほぼないキャラクター。

 小細工が効かない相手とは言え、今の状態で真正面から戦って勝てるかと言えば違う。


「なら……」


 レイジはスキル〔格納空間〕を発動し、無数の魔導書と魔巻物、そして神結晶を召喚する。


「ジャンヌを倒すために集めたアイテムの数々……これでスキルを習得し、合成させて、新たなスキルを生み出し、アーサーに勝つ」


 レイジはある特殊なスキルを持っている。


 そのスキルの名は〔合成〕。


 スキルとスキルを合体させて強力なスキルを生み出すことができる。

 とても強力なスキルなのだが、一回使う度に膨大な魔力を消費するためレイジは今まで使わなかった。

 だが今のレイジは無限の魔力と神力を生み出せる。

 つまりいくらでもスキルを合成しまくれるということ。


「さて……やるか」



「よし……いいのができた」


 多くのスキルと合体させ、新たなスキルを次々と生み出したレイジ。

 予想以上のものができて、レイジ自身も驚いている。


「まさかエクストラスキルでも、オーバースキル、ユニークスキルでもない新たなスキルを生み出せるとは思わなかったな。というか最悪、アーサー王を殺せるぞ?これもドラゴンの王になった影響かな」


 ドラゴンの王という言葉を言って、レイジは夢のことを思い出す。


「『私が完全に目覚めた時……あなたは望まぬ運命をたどるでしょう』……か。いったいどういう意味なんだ」


 レイジの中にいる竜王ファフニールの力。

 その竜王が言っていた言葉が、レイジの頭から離れなかった。


(アニメでもなかったレイジの裏設定。レイジが《邪聖の十二星座》の一人の子供というだけでも驚きなのに、まさかアーサー王の兄の子供でもあったとは……しかも竜王の力が目覚めるとか。どんだけチートになるんだよ。このままじゃあ……さらに化け物に。というか平穏で平凡な暮らしが遠くなっていく)


 レイジは肩を落とし、ハァとため息を吐いた。

 その時、


「君がレイジだね?」


 女の子の声が聞こえた。

 声が聞こえた方向に視線を向けると、そこには竜人族の女の子がいた。

 その女の子は白い髪を伸ばしており、アーサーそっくり。

 歳はレイジより一つ上に見える。


「君は!」

「初めまして、レイジ」


「ボクはメロラ。アーサーお母様の娘だよ!」

 読んでくれてありがとうございます。

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