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ウロボロス

「ちょ……ちょっと待ってくれ!ウロボロスが……俺のもう一人の父親があなたの兄!?」


 アーサー王の衝撃的な事実にレイジは驚愕。


 ウロボロス。レイジの実の父親であり、竜人族。

 それはレイジも知っていた。

 だがウロボロスがアーサーの兄だったとは知らなかった。


「そもそもなんであなたが、俺の父のことを」

「これを見たからだよ」


 アーサーは自分の懐から黒いロケットを取り出す。

 そのロケットはレイジが愛花から貰ったものだった。


「そのロケットは!」

「このロケットはペンドラゴン王族の者しか持っていないんだよ。そしてこのロケットの写真に写っている男は間違いなく、僕の兄だ。まさかあのシグマと結婚していたとは思わなかったよ」


 ハァとため息を吐いて、アーサーはロケットをレイジに返す。


「まったく……ウロボロス兄様はなんであんな女と」

「母を知っているのか?」

「知っているも何もアイツは僕の最大の敵だよ」


 額に青筋を浮かべながら、アーサーは愚痴を始める。


「僕のことをよくボコボコにしたし。『ねぇ、今どんな気持ち?ねぇねぇどんな気持ちですか、魔導騎士最強さん??』とか挑発してきたし……ああ、もう!思い出すだけで腹立ってきた!」

「そ、そうなんですか……」

「そして!一番腹立つのが僕の自慢の兄を奪いやがったこと!!クソ、生きていたら僕が殺してやったのに!!」


 アーサー王から感じる怒りと憎しみのオーラ。

 どうやらそうとうレイジの母は恨まれているようだ。

 このままではまずいと思ったレイジは話を変える。


「そ、そういえばウロボロスはどんな人だったんだ?」


 レイジがそう問い掛けると、アーサーは悲しい表情を浮かべる。


「……僕の兄、ウロボロス兄様は立派な人だった。この国の食糧問題、貧民問題、政治問題……あらゆる問題を解決してきた。誰よりも頭がよくて、戦闘以外なんでもできた人だった。みんなからも期待されていて、誰もが次の竜人族の王になると思っていた。僕もそうだった……けど」

「けど?」

「ある日……ウロボロス兄様はこの国から出て行った」

「!!どうして」

「置手紙には『私は王になる器』ではないと書いてあった」

「……」

「わけ分からなかったよ。誰よりも王に相応しい人が……いなくなるなんて」

「それは……なんて言ったらいいか」

「……しかも一番驚いたのは、もうウロボロス兄さまがこの世にいないってことかな」


 大切な兄を失ったアーサーは、瞳から涙を流す。


「ごめんね。泣かないようにしてたんだけど……」

「……泣いてもいいと思う」

「え?」

「大切な兄を失ったんだ。なら泣いていいんだ」

「……本当、ウロボロス兄様みたいに優しいんだね」

「いや、そんなことは……それよりなんで俺はあなたの息子に?」

「……ウロボロス兄様の子供だと分かった以上、僕は君を放っておくわけにはいかない。今後は光闇レイジではなく、レイジ・ペンドラゴンとして生きてもらう」

「……」


 アーサーにとってレイジは大切な兄の子供。

 それを放っておくわけにはいかないという理由は、彼にも理解できた。

 しかし、


「悪いけど……今の家族を捨てるわけにはいかない」


 レイジには大切な家族がいる。

 その人たちと離れることは、彼にはできなかった。


「そう……なら」


 アーサー王はソファーから立ち上がり、告げる。


「君に……決闘を申し込む」


 読んでくれてありがとうございます。

 新作の『赤き翼を持つ少年』、『リトライ』、『スキルプレイヤー』もよかったら読んでみてください!

 ブックマークとポイントをお願いします。


 あと『銀髪の死神』から『悪役転生~弟子を庇って死んだらアニメに登場する最凶のラスボスに転生していた~』に戻します。

 色々、すみません。


 あと最後に一つ。

 実は新作はある程度終わったので、この作品を集中的にやろうと思います。

 毎日投稿できるようになったら報告します。

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