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ルルア、覚醒

(クッ……まさかここまで強いとは思いませんでしたよ)


 そう思いながらルルアはアテナ、ポセイドン、ハデスの三女神とともにクトゥルフと激しい戦いを繰り広げていた。


「ハァ!」

「この!」


 アテナの剣撃とクトゥルフの斧撃がぶつかり、大きな衝撃波が発生。

 いくつもの墓が衝撃波で吹き飛ぶ。


「そこだ」


 ポセイドンはいくつもの水の槍を生成し、飛ばす。

 無数の水槍がクトゥルフに襲い掛かる。


「舐めんじゃないわよ!」


 クトゥルフはなにもないところから黒い……そして太い触手を召喚。

 触手は飛んでくる無数の水槍を全て弾いた。

 その時、


「流石ですね。ですが……」


 クトゥルフの背後にハデスは一瞬で現れ、


「隙だらけです」


 手刀で彼女の背中を切り裂いた。

 赤い血が宙を舞う。


「ガハッ……この、一度死んだ女神共が!」


 クトゥルフはなにもないところからm、いくつもの太い触手を召喚。

 触手達はハデスたちに向かって漆黒の光線を放つ。

 迫りくる光線をハデスは躱し、アテナは盾で防ぎ、ポセイドンは槍で弾く。

 だがルルアは躱すことも防ぐことも出来ず、光線を受けてしまう。

 光線は彼女の頬を傷つけ、右肩と左太ももを貫く。


「ウグッ!」


 痛みで顔を歪めるルルア。

 そんな彼女に向かってクトゥルフは走る。


「まずはあなたからよ、ルルア!」


 無数の黒い触手がルルアの手足を縛り、動きを封じる。


「ルルア!」


 アテナ達はルルアを救出しようと駆け出す。

 だが無数の触手が彼女達を邪魔をする。


「死ね、まがい物の女神」


 クトゥルフは黒き斧を振り下ろす。

 斧の刃がルルアの頭をかち割ろうと迫る。


(……ああ、これは避けられない。でも……私が死んでも問題ないでしょう。少なくとも彼女達を分断することに成功した)


 レイジはジャンヌを確実に殺すつもりでいる。

 そのためにジャンヌとクトゥルフを分断した。

 そうすることで神装を阻止したのだ。

 ジャンヌはレイジとゼウスが、そしてクトゥルフはルルア、アテナ、ポセイドン、ハデスが戦う。

 そういう作戦だった。


(私が死んでもアテナ達がなんとかしてくれる。だから……)


 ルルアは死を覚悟し、目を閉じた。


 その時—――彼女の頭の中に、レイジの顔が浮かび上がる。


(いや……まだ死ねない。この気持ちを伝えるまでは!)


 死にたくない。

 彼の隣にいたい。

 もっとあの人と笑い合いたい。


 好きだって……伝えたい!


「まだ……死ねないんですよ!」


 強い想いが……ルルアを生きさせようとする!


「オーバースキル〔建御雷神タケミカヅチ〕!」


 次の瞬間、ルルアから金色に輝く稲妻が発生。

 稲妻は彼女の身体を覆う鎧へと変わる。

 さらに雷を纏った十本の剣が出現し、ルルアを拘束していた触手を切り裂く。


「ハァ!」


 雷を纏った刀で迫りくる斧を弾き返す。


「女神がオーバースキルを!?ありえない……なんでそんなことが!」


 オーバースキルを使うことができるのは、女神と契約した人間のみ。

 だというのにルルアは、オーバースキルを使った。

 それがクトゥルフには信じられなかった。


「私……特別なんですよ」


 ルルアは刀と拳銃を構え、不敵な笑みを浮かべる。


「ハッカーの恐ろしさ……教えてあげますよ」

 読んでくれてありがとうございます。

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