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いじめへの呪い

作者: 神名代洸

物心つく頃はまだ良かった。

でも幼稚園に行くようになった頃から何故か友達と思ってた子達からいじめを受けるように。

それは小学校、中学校と続いていた。

高校はそれが嫌で地元を離れた学校を選んだ。

高校生活は女子校ではあったが、いじめに会うことはなかった。それはとても嬉しかったよ。

いじめが特にひどかった中学の頃の記憶も、小学校、幼稚園の記憶も今はない。

あまりに酷かったので忘れたいと脳が消してしまったのかもと思った。でもそれで良いやと思ってました。

そう、20年後忘れてた元クラスメイトからの連絡が来るまでは。


忘れていられたのに…。なんで今更。


思い出すのは男の子達に追っかけられたり、机を投げつけられたり…。そして…恨みつらみを書いた手紙を担任に渡し自殺して呪い殺して道連れにしてやると言う内容を書いていたこと。


クラスメイトの顔も名前も全く覚えていなかった。

唯一は親友と呼んで仲良くしていたはずの友達の裏切りによる凄惨なイジメ。その子の名前だけははっきりと覚えている。



人間不信にならないわけがない。

人間が嫌いになっていた。人を信じる心を壊され、一人でいることの方が楽しかった。

その頃には本を読むようになり、物語の中の人に憧れを抱いていた。決して裏切らないから。



人の輪に入ることが無くなり、付き合いもうまく出来なかった。



悪魔の書を手にして呪いをかけようとした。

呪詛返しに遭わないために何度も本を読み直した。

そして祈った。

唯一覚えていた親友に不幸が降りかかるように。



数年後、父親が亡くなったと風の便りで聞いた。

正直親友が亡くなれば良かったのだが,苦しむ姿がみれると思うと面白かった。


いじめにあってた時の担任も病気になり亡くなったと知った。



何も感じなかった。

心が壊れてしまったからだと思った。


それからだ。不思議なことが起きるようになったのは。

だけどそれが怖いとは感じなかった。

どこかおかしかったんだろう…。

私自身も気づかない何か。


家族はとても心配してたよ。

兄姉がいたんだけど、特に姉が心配してたっけ?

なんで心配するのかもわからなかった。


カウンセリングのようなものに参加をするように勧めたのも姉だった。正直言ってどうでも良かった。

信じられるのはいない。正直自分自身も信じられずにいたのだから…。

でもね?

それでもそのおかげかわからないけれど結婚することもできた。子供もいる。

だけど正直分からない。

過去の記憶を忘れてしまう自分が…。


余計なことだけ覚えているのが嫌で嫌でたまらなかった。家族には内緒だったけどね。

見えないものが見える。

普通はありえない。

多分黒魔術を会得しようと訓練したからだ。そう思う。

写真に映ることもあった。


それが一番酷かったのが高校生の時だ。

呪い返しだったのかもしれない。

黒い影が昼間でも見えた。

写真では手足が消えていたり、霊達の姿がいくつも映ることがあった。


その手の事を話題とする友達?が集まっていた。

友達だったんだろうか?

卒業後、数年はあったりしていたが、やがて音信は途絶えた。やはりその程度の人間だったんだ。


今は私の周りには友達と呼べるものは一人もいない。

腹を割って話せる相手もいない。みんなでザワザワと話すことになんの意味があるのか?

上辺だけの奴らに。


だから思ったんだ。

過去は全て忘れよう。

その方が楽だと。

嫌なことを特に忘れたかった。

だけど時々何かを感じるんだ。

多分霊だと思う。

怖いけど…怖いけど、どうしたらいい?



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