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本当は…

各話のタイトル、適当なんで本文との関連が薄いことが多いですね

「まー、オレの家は貴族って言っても、全体で見れば大したことない家系なのさ。北の地域はもっと有力な家がいくらでもある。ソフィからきいたとおもうけど、オレの家系は昔から冒険だとか、そういうことをしてたわけだ。で、それなりに功績も残してたから今に繋がるまでの家系ってわけさ。」


「ふーん……」


 だから何って感じ………。別にそれを聞いてと、へえって感じで、なんとも思わない。


「それでさ、一応貴族ってなると、まあ他の家とのあれこれもあるわけ。基本的には良好なんだが……一つだけ。あんたに言っても分からないとはおもうけど、『アイリーン』家っていう探偵のところだけはどうにも良くないみたいでさ。」


「あ、ふーーーーん、そうなんだぁ。」


「?」


 やっぱりそうなんだ………アリス……はもう関係ないのかもしれないけど、だとしてもそれは気になる。なんでそんなに仲悪いんだろ?


「ん、これ美味いな。」


 ミトラスはわたしの頼んだ料理を食べて、喜んでる。この人、どこまで本気なんだろ……振る舞いがよくわからない。


「なんで仲悪いかわかる?言えるやつ?」


「あー、別にいいぞ。探偵ってのも結局は何かを見つけるために探検、探索をすることが多いのさ。でも、本業のセクレタン家から見ればそれは杜撰に感じるし、中途半端なんだよ。だったらいっその事、そういう仕事はオレ達に任せて、あっちはあっちで依頼された人間の調査とか、推理だとか、もっと探偵らしいことでもすればいいのさ。」


「………」


「なのに、あっちの家の奴らはそうはいかなくて、あくまでもそれは自分たちの仕事だって感じで譲らないのさ。そんなに意地張られてもこっちの邪魔になるだけなんだけどな……。って言っても、それももう昔の話で、オレやソフィはそんなこと気にしてない……けど、どーにも向こうが根に持ってんだな。だから無理。そういうこと。」


「うーん……なんか寂しいね………」


 アリスを追い出したりするくらいだし、なんか頭硬い家だったりするのかな?前から思ってたけど、いくらなんでも実の娘を追い出したりする?わたしがシオンにいらないって言われたとは訳が違うし。


「でもあんたには関係ない話だろ?」


「あ……」


 せっかく話してくれたんだし、わたしも隠さず言おう、それがきっと良い。


「実は………わたしの友達で………そのアイリーン家から見捨てられて、追い出されたアリスって子がいてさ………」


 わたしがそれを伝えると、ミトラスは食べる手を止めて、身を乗り出して言う。


「マジで?」


「う、うん……どうしたの、そんなに?」


「いやいや、オレにとってはかなり気になる話だぞ。そのアリスって子、今どこにいるんだ?」


「南の方……かな?明日、ソフィさんと一緒にそっち方面に行くんだけど……来る?」


 乗ってくる……と思いきや、ミトラスは急に冷めて、落ち着いて言う。


「…いや、やめとく。ソフィと一緒に行動とか、無理だし。」


「まあ、たしかに。」


 なにが気になったかは知らないけど、まあどうでもいいや。どうせ会わないんだし。


「わたしもう行くね。話すの飽きたし………」


「随分素直に言ってくれるな………まあオレだって、楽しい話してる気は無いけど。ていうか、もういいのか?まだ話してもいいことが」


「それじゃ」


 無視して、わたしが立ち上がると、ミトラスは慌ててまた喋る。


「あー、待て待て。オレ今財布持ってなくてさ。金払っといてくれよ。」


「………………………あ、そう」


 ………もう二度と会いたくない。


「んじゃ、最後に一つだけ教えとくか。………何の目的であんたが旅してるかよくわからないが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


「え、なに?」


「さあな。訳わかんないと思うけど、それでいい。でも、いつもいつでも我慢する必要も無い。きっとソフィだってオレと同じこと言うだろうさ。」


「は、はぁ……?」


 酔ってきたのかな?これ以上一緒にいると、なんかもっとめんどくさい事になりそうだし、しょうがないから……お金を置いて、先に帰ることにした。あとでソフィさんに言っとこ………。


 ―――――――――――――――――――――


「………結局お腹空いたままじゃん」

 

 店の外に出て、少し歩いてからそんな当たり前のことに気がついた。なんか食べようとしてたのに、盗まれたし。


 外は少しだけ日が傾いてるけど、まだまだ明るいし、寒くもない。ただ、いま変に多く食べると今度は夜に響くし……いっそ、我慢してみようかな。たまにはね。


「もう少し見て回ろうかな……」


 さすがにまだ宿に戻らなくても平気そうだから、また色んなお店でも見てみよう。もしかしたら、また何か面白いものがあったりするかもしれないし………。


「……ん?」


 何となく空を見上げてみると、昼間なのに流れ星……?少し強く、赤く光ったそれはやたらと長い軌跡を描いて、少しするとまた徐々に薄くなり、空に消えていった。へぇ……昼間でも流れ星とか、見えるんだ………。(ここ伏線とかじゃなくて今日何年かぶりに流れ星見たのが嬉しかったから書いただけです)


 流れ星より早い馬車とかソフィさん言ってたけど、たとえ比喩だとしてもそれは言い過ぎだよねやっぱり。燃え尽きるでしょ。


「……あー……お願いごととか、すれば良かった!」


 …でもなんて?わたしの願い事……なんだろね?シオンたちとまた旅がしたい?……それは違う気がする。もっと強くなる?……わたしは別に強くなるためにここにいるわけじゃないし……。マリーとまた会いたい?……それは会いたいけど、でもそれは…………。


「ま、いっか!考えるのとか、わたしが1番苦手な事だし!それよりなんか買いたい!」


 多少高くてもいい。なにかひとつ、『これだ!』って思えるもの、見つけたいね!



流れ星めちゃくちゃ久しぶりに見て、1人でテンションあがってました

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