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迷いながらでもちゃんと

「……って感じかな。」


 シオンとどんな話をしたか、ソフィさんとメルリアに教えてあげた。


「ルナちゃん、そんなことしてたのね?」


「うん……ソフィさんがもし勇者のことよく思ってない人だと困るから言えなくて、そのまま言うタイミングなかった。」


「ああ……なるほど。」


「ふーん……」


 メルリアは(なぜかわたしの)ベッドに寝っ転がって言う。


「でもシオンの言うこともわかるよー。確かにルナ、危ないことしてるし。」


「やっぱりそう……?」


「うん、そこは否定できない。私は迷惑とは思わないけど、単純に……ルナが怪我したら嫌だし!それにソフィとかもね!」


「………うん。」


 そこだよね……言われてみればそう。今はいないけど、スティアにアリス、レヴィやセーラ……みんなのおかげだし。……あと、忘れちゃいけない……マリーも。でも言い換えれば、みんなわたしのせいで危険なことに巻き込まれることもあるわけだし、そうだとしてもわたし自身はいつも助けてもらうだけで、何もしてない……どうなの、それ。


「私は別にいいわよ………頭の硬い人と一緒とか、一人でいるより、よっぽどいいわ。ルナちゃんかわいいし………。」


「ど、どうも………」


 フォローなのか、ガチなのかわからない………。


「それで、ルナどうするの?面と向かって言われちゃったなら、さすがに無理やり続けるのは無理でしょ?」

 

「だよね………」


「でもどうするにしても、ルナちゃんはお友達と合流するために南に向かうのよね?集めるものもそこにあるんじゃ………」


「うん、蒼海の入江のディープ・アクア……そこにある」


「深海の石、だよね!はいこれ!」


 メルリアはベッドから起き上がり、どこからかすごい綺麗な宝石を取り出した。


「え、これ………」


「実はもう手に入れちゃった!ホントはグリモワールと共鳴させたいんだけど、それを持ってるアルトが今はいないから……。」


 グリモワールもいつの間にか手に入れてた上に、深海の石まで……やることが早い。


「あれ?でもいつの間に南に?東にいて、事故でワープしたんじゃ……?」


「早く移動できる馬車を借りて、まず南へ。その後やっぱり東にグリモワールがあるってわかって、また戻る。で、事故でワープ……だよ!」


 もしかしたら、わたしが反転世界にいた間にこっちの世界では思ったより日数がたってた、とかもありそう?


「忙しいわね……」


「………まあどっちにしても、わたしは一旦南に行くんだけどね……。」


 アリスとスティアがいるから。


「うん!私達はしょうがないし、このまま西の谷の方に行くと思う。アルト達とは……まあそのうち合流できるでしょ!」


「随分お気楽ね。」


「まあ、アルト君とルルちゃんなら心配することもないだろうし、いいんじゃないかな………」


 …で、それはそれでいいとして。わたしはそのあとどうする?


「ねえルナちゃん…………?」


「……?」


 ソフィさんが近づいてきて見つめてくる。


「もしすることがないなら……お友達と合流したあと、また私のこと手伝ってくれるかしら?」


「あー、なるほど。」


 なんとかって昔のお城を探すんだっけ?まあアリス達も頼めば嫌とは言わないだろうし…………。


「うん、いいよ。むしろ行きたい!」


「ありがとね。あとは……メルリアちゃ………寝てる……」


「はやっ」


 ベッドの方を見ると、もうぐっすり。ていうかそこわたしのベッドですよ〜………。わたしも寝よ。


「あ、その前に着替えてくる。服返さないと。」


「そうね、ちゃんとお礼言うのよ?」


「そんなママみたいな………」


 村長さん、若く見えたのにわたしと同じくらいの歳の娘いるし、実は50歳くらいらしいし謎。まあいい人だけど。


 ―――――――――――――――――――――


「ねーねー!ルナ!起きて!」


「うるさ………」


 朝。メルリアに叩き起される。


「まだちょっとくらいじゃん……なに?」


 ソフィさんも寝てるし……。


「外行こ、外。ちょっと話そ!ね!」


「あ、うん……いいよ。」


「砂漠はね、この時間は涼しいんだよ。だから外でのんびり話しても平気なの。知ってた?」


「知らないよ〜……」


「だと思った。」


「…………」


 とりあえず、メルリアと一緒に外に出る。まだ日は出てなくて、不思議なことに、たしかに涼しい。なんでかなぁ?


「で、なに?」


 外にあった倒木みたいなものに座ってメルリアにきく。


「まあ色々?」

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