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ふわふわ不安な

「………あ、いたいた」


 すこしだけ暗くなってきた広場。そこに戻るともうソフィさんが待っていた。人は沢山いるけど、ソフィさんは遠くからでもすぐわかる。……色々な要因のおかげで……ね。


「もう来てたんだ」


「私も今来たところ………うーん………」


「?」


 なんだろ、なにか考えてる感じ?


「ねえルナちゃん……お店見てみてどう思った?なにかいいものがあったり、買えたりした?」


「いや……わたし的には特になかったかな……食べ物だけ買ったよ。ソフィさんは?」


「私もそんな感じよ。でも………以前にも何回かこの街には来ているけれど……普段ならもっとたくさんの種類のものがあるのよ。でも今日は何故かかなり少なく感じたわね………」


「これでも少ないんだ………」


 わたしからすれば多く感じたけど、本来はもっとあるんだ……凄い。


「特に南や東のものが少ない………もしかしたら、砂漠になにか異変が………?」


「どういう関連性?」


「通常、南から来る人たちは砂漠を超えてくるのよ。あの辺は隅から隅まで砂漠だから、避けては通れない……東から来る場合も、ちょっと訳あって北から回ってくるのは難しい……そうなると、やっぱり砂漠を超えるしかないの。今日見た感じだと砂漠を超えてきている人達もいたけれど………どうかしらね。」


「ふーん……?」


 砂漠になにか起きてて、そっちから来る人が来られない……?でもわたし達、明日その砂漠に行くんだよね………。


「あ、ヘブンズ・マウンテンを超えてくるって言うのはまず有り得ないから最初から考えてないわよ。」


「ああ、そんな山ありましたね……」


「東の地域からあの山を超える……というか、尾根を伝ってこっちまで来るなんて、そんなことをする人なんてまず居ないわ。」


「そうなの?」


「知らないの?あの山のやばさ………」


「全然知らないよ……」


「……まあいいわ。明日砂漠に行ってみればある程度分かると思うし。それじゃ、ついてきて。」


 ソフィさんはどこかに向かって歩き出す。


「どこ行くの?」


「今日泊まるところよ。明日の朝は早く出るから、今度こそ寝坊しないように、着いたら早く寝るのよ?」


「はーい……」


 ……ママみたいだよ。


――――――――――――――


 ソフィさんについて行った先の宿は、特別大きいとか、すごい綺麗だとか、そういうことは無いけど、普通にいい感じのとこ。部屋は別々みたいで、部屋に行く前に「寝坊しないようね?」と、またまた念を押されてしまった。


「………さて、どうしよっかな。」


 部屋で1人。早く寝ろって言っても、まだ流石に早いよ。これじゃあ寝れないし、寝れても変な時間に起きちゃう。


「なんか食べよっと。」


 今日買ったものの中で、保存があんまりきかないものがいい………よね。


「…………これだ!」


 見たことない果物のケーキ!オレンジ色の果実だけど、オレンジじゃない(ここで言うオレンジは柑橘系の果物の名称だよっ)。変な形で、あんま水っぽくない。そんな果実が、クリームたっぷりのケーキの上に沢山乗っている。それと、緑っぽい色の変なジュース。店の人いわく、絶対美味しいから後悔しないらしいけど………。


「いただきまーす……」


 ………甘い!美味しい!!…………けど、クリームも甘いからちょっと甘すぎるかも…?こういうケーキにはちょっと酸っぱいのが合うよね。でも、美味しいのは美味しいしあとでソフィさんに教えてあげよ。


「ジュースはどうかな???」


 ………あまーい………。うん、美味しいけど………このケーキとは合わないかな………失敗。




「うーん、まあまあ多かった……」


 すぐ食べ終わったけど、結構量があった。おなかいっぱいだね。ジュースも飲んじゃった。窓の外をチラッと見てみると、いつの間にか完全に暗くなっていた。意外と時間たっちゃった?


「………トイレいってこよ」


 ジュース多かったかな…………。



―――――――――――――――――


「んー??」


 トイレは部屋にはついてないみたいだから、一旦廊下に出て、階段を下って1階におりる。降りた先はロビーみたいになっていて、机やイスが置いてある。そこに、数人の人達が座って何か話している……それはいいんだけど、その人たちの服装。少し違いはあるけど、間違いなく世界統括団体の制服。ソフィさんの知り合いかな?


 なんの話しをしてるか気になる……けど、流石に露骨に聞く訳には行かないから、近くの壁に貼ってある地図や絵を眺めている振りをして全力で耳を傾ける。


「………は………の辺りか?」


 チラッとだけ話してる方を見ると、地図を広げてこえをひそめてなにか話している。


「……思うが…………か?」


「しかしその痕跡は………」


 うーん、わからない。なにか探してる?ソフィさんと同じで『砂塵の塔』かな?でもそれなら、一緒に来るよね………。


 しばらくきいていても、やっぱり何を話しているか分からない。ていうか、こえひそめて喋るくらいならこんな人に聞かれそうな場所やめればいいのに………


「……そろそろか」


「……ですね」


「……あ」


 何かの時間なのか、世界統括団体の人たちはみんな揃って外に出ていってしまった。結局、なんだったんだろ?あとでソフィさんにきいてみよっと。


「………うっ」


 そ、そうだった…トイレ行こうとしてたんだよ……早く行かないと……。


 …………それにしても、全員分の制服作ったり、色んな人を世界中に派遣したりで、世界統括団体はお金持ちだなぁ。どつやってそんなに沢山お金用意してるのかな?




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