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禁句

 地下牢をさらに奥に進む。暗いけど、マリーの持ってる灯りのおかげで特に不都合は無い。


「なあ、ちょっときいてもええか?」


「ん、なに?」


「『ディープ・アクア』と『蒼海の入江』、あと『深海の石』ってなんや?なんかユイって子がウチが来る前にブツブツ言っとったんや。なんか聞いても教えてくれへんかったし、気になるわぁ。」


「ああ、それは………」


 えっと、なんだっけ?なんかめちゃくちゃ久しぶりにそれを聞いた気がする。…………ああ、そうだ。元々それを探してたんだよ。なんか鏡の世界のせいで全く方向性がズレてるように感じたけど、こっちのわたしを倒して元の世界に戻るってことは魔王の配下を倒してるわけだから、関係無くはないのかな?で、それから改めて色んな道具とかを集めて魔王の元に……うーん、道のりが遠い。


「なんや?」


「まあ、わたし達が探してるもの………かな。ここから脱出して、それを探さないといけないの。」


「ほーん……ならとっととここからでんとな。」


「あ、わたしからもひとつ聞いていい?」


「ん、ええで。」


「えっと……この街?ってどうなってるの?わたし達、街の外で警備みたいな人たちに捕まって街にの中に入れられて……でも、外で聞いていた酷い有様なんかじゃなくて、綺麗で平和な街に見えた。でも、なにか秘密があるらしくて……その秘密を知ろうとしたら、この牢屋に連れてこられたの。何かわかるかな?」


「………知っとるで。十分すぎる程にな。でも、ここで話すには長すぎる話やな。なんにせよ、落ち着ける場所でじっくり話したいし、まずはここから出るのが先決や。」


 マリーは少し歩く速度を上げていく。とりあえず、なにか知ってそうで安心した。こっちにつれてこられてしまったなら、逆にもうツインエース達に連れてかれる心配も無い…はず。なんて、さっきもそんな感じの読みが外れたから、わかんないけどね。まあ、水がないところなら平気かな……。


「あ、そうだ!そのおっきいハンマーで壁壊して進むっていうのはどう!?」


「アホか。んな事して看守のいる部屋とかにぶち当たったらどないすんねん。まずはある道あるく、それが基本やろ。」


「うーん……」


 いいアイデアだと思ったけど、マリーに一蹴されちゃった。




 それからさらに進むと、外に出るどころかどんどん下におりていってる気がする。もう何回も階段下ったよ………。

 周りもいつの間にか牢屋はなくなって、もはや地下牢ですらない場所になっている。逆に、何故か灯りは増えてきて、何も無くても視界は良好。


「…………う、これ………」


 明るくて視界がいいせいで、見たくも無いものも見える。地面には、赤黒い大きいしみ。これは………


「どう見ても血痕やな、それもかなりの量……。もしかすると、この先にはもっとやばいもんがあるかもしれんな。ウチにも予想出来ん。」


「へ、平気かな………!?もしかしたら……大量の死体の山とか、人間の血でできたプールとか、えぐいものがあるかもよ……なんなら、わたし達も………」


 血痕ひとつあるだけで、そんな空想がとめどなくでてくる。


「あ、それは絶対ないわ、安心してええで。」


 マリーは手をヒラヒラさせて言う。


「なんで?」


「そんな直接的にえぐいやつ、無理やろ。18どころか15のR指定すら入れてないでこれ。それでそんなことしたら違反やろ。」


「やめてよ。」


 やめようよ。


「………お、あそこ。なんかええ感じの部屋あるやん。ちょっと休もか。せっかくだし、あんたが気になってたことも話したるわ。」


 たしかに、通路の脇に小部屋がある。椅子とテーブルと、あとよく分からない箱とかが置いてある。


 部屋に入り、椅子に座ってみると、テーブルの位置がやたらと高い感じがする。別にテーブル使わないからどうでもいいけどさ。


「じゃ、早速教えたるわ、この街が何なのか。」


「う、うん。」


 やっとわかる。気になるけど、少し怖い。もしかしたら、なにかとんでもない秘密があったりして………

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