歴史は繰り返す
借金が返せたくなったので長い間地下の劣悪な施設で強制労働をさせられていました。なんとか頑張って一日だけ外に出ることが許されたので9ヶ月ぶりくらいの更新です。24時間後にはまた地下に帰ります。
「おい、ルナ……こっち来い」
「ん、なになに〜?」
旅の途中、どこだかよくわからない場所、よくわかんない時間帯。休んでたらエルザに呼び出された。
「ボクがなんの用でお前のこと呼んだかわかるか?」
「え? そりゃあもちろ」
(あれ、この流れどこかで……)
あ、そうだこれあれだ。全ての始まりだったあの日。シオンにクビにされた時とそっくりだ。ん? でもどうしてこんな流れに? だって確かさっきは4人で世界を巡ってみようって言ってた気がするのに……???
「もちろん……なんだよ?」
エルザはだいぶキレ気味。あ、やっぱりそういう感じですか〜!!
「わ、わかんないや」
「はぁ〜……なら教えてやるよ……お前さ、いらねーんだよな……いつも足引っ張ってばっかりだろ。自覚ねーのか?」
心底面倒くさそうな顔になってエルザは言う。やっぱりそれか……でもでも
「反論反論!! ソフィさんはいいとして、アリスは? こう言っちゃなんだけどアリスも大概だと思う!!」
「いやいや……あいつはあいつなりに充分頑張ってんだろ、そんなことも気が付かねーのかよおまえ。あいつにしかできねーこともあるしな……それに対しておまえ! おまえにしかできねーこと何一つとしてねーじゃん?」
「はっ……いやいや………うーん……まあ、無いか。あはは〜」
「おう。答え出たな。じゃあな」
「ちょ」
ほんとにもうそれっきりで、エルザはどっかに行ってしまった。追いかけようとしても全然追いつけないし、声をかけても無視される。ていうかなんでエルザが仕切ってるんだ……せめてソフィでしょ。
「ね〜!!! 待ってよ〜!!!」
――――――――――――――
「またこの展開なの!?」
(……?)
さっきまでと違って、自分の声がよく聞こえた気がした。……さらに気がつくと、わたしは……なんだ、寝てたんだ。で、今飛び起きたと。要するに夢か〜……なるほどね。
(思い出した……)
エルザも加わって、4人でいざ出発!……は良かったんだけど、すぐに天気が悪くなってきて、時間も遅くなりつつあったからその場で休むことにしたんだ。アリスがもってた、スティアが作ってくれたよく分からんテントをふたつ張って、向こうにアリスとエルザ、こっちがわたしとソフィさんで寝ることにしたんだ。
(雨の音聞こえない……晴れたかな。)
「ルナちゃん……変な夢でもみたの?」
「あ、起こしちゃった……?」
気がつくと、隣に寝ていたソフィも体を起こしていた。暗くてよく見えないけど、別に怒ってないなそう。
「ちょうど私も起きちゃったのよ……雨も上がってそうだし、すこし外でてみる?」
「わ、すごく良い……いこいこ。」
―――――――――――――――――
外に出てみると、地面はまだぬかるんでるけどすっかりはれてて、木々の隙間から大きい月が見え隠れしてる。少し明るいね。
「よいしょっと」
「………結構濡れてるわね」
岩に座ってみたら、ソフィさんの言うとりめっちゃ濡れてた。でももう遅い。座っちゃったし。ソフィさんも諦めてガッツリ座ってる。
「なんか、ソフィさんと話すのすごい久しぶりに感じる……へんなの。」
「ふふ、まだ夢でも見てるのかしら? 昼間もずっと話してたじゃない。」
「それはそうなんだけど……ねえ、世界統括団体のこと……どうおもう? ほら、イリスが言ってた……」
「……世の中そんなもの……よね。わかってはいたわ。でも……受け入れたくないのも素直な気持ちね。もしかしたら、女神様の言うことも何かの間違いで……なんて言う、0.1%もない可能性に縋りたい気分…かしらね、本音は。」
「………そっか。」
しんみりと、夜空を見上げて喋るソフィさんは何だか絵になる。
「不思議ね……ルナちゃんと出会ってから、短い間に色んなことが起きるわね。 ふふ、これから先はきっともっととんでもないことが起きるのかしらね、とっても楽しみよ」
「なんか、わたしといるとみんなそんな感じ……」
(……さすがに気の所為だけど、まるでわたし中心で世界が回ってる……なんて錯覚までしちゃいそう)
「……ふ〜……また眠くなってきた……ソフィさん、ごめん……わたし寝るね」
「そう、私はもう少しここに残るわね。……ふふ、次起きるのはいつかしらね」
「? おやすみ〜」
続きは1年後