どう生きるか
登場人物
僕…如月憂
母…如月悠
おばあちゃん
ヒデさん
皐月萌結
_______拝啓、20歳になった僕へ。
お元気ですか?今の僕はとても弱虫で情けない。それでも生きている。まぁこれからたくさんへこたれることもあるし絶望のどん底に突き落とされることもあるだろう。でもなんとなくで生きればいいんじゃないかな?20歳の僕は今より少しでも強くなっていますように。12歳の僕より。________
ようやく成人式を終え家に帰った僕は小学生の時にタイムカプセルに入れて埋めてあった手紙を8年越しに読んだ。あの頃の僕はまだ幼く可愛らしいものだった。今の僕はと言うと、それはもう昔の僕には想像もできないほどのどん底にいるのだ。僕の予定では高校卒業後、それなりの大学に行きそれなりの安定した仕事に就ければいいやという考えでいた。しかし実際はそううまくいくこともなかった。あれは高校2年生の夏休みのことだった。僕は夏休みの宿題に取り組んでいた時、「ゆーちゃん、ちょっと話があるんだけど」と母が僕の部屋に入ってきた。「何?」僕は素っ気なく返事をすると、母は話を始めた。「あのね、ちょっと言いにくいんだけど実はお母さんお父さんと離婚することにしたの。」僕は何も言わなかった。というより言えなかった。なんて言ったらいいのか分からなかったのだ。最近母と父の喧嘩が増えていたし離婚する可能性は無きにしも非ずという状況だった。「ゆーちゃんはどっちについて行きたい?」「んー、どっちでもいい」僕はどっちについて行ってもこれまで通りの生活を送ることはできないと分かっていた。母は僕がそんなことを思っているとは考えもせず、「じゃあゆーちゃんはお母さんについてきなさい!きっとお父さんと暮らすよりも楽しいわよ〜」とまるで離婚をしてすっきりしたかのような口ぶりで話を淡々と進めて行った。そして僕は母と暮らすために東京から福井の母の実家へ引っ越すことになった。(つづく)