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子供達6
扉が開け放たれると、子供達は一斉に走り出し、各所へと散らばっていった。いや、ただ走るだけじゃない、触手を巧みに動かし飛ぶように移動している者や、まるで獣のような姿に触手を纏い、地を這うように信じられない速度で駆けていくもの等、それぞれの方法で移動している。
「皆で狩りごっこだね!」
「何匹取れるか競争ね!」
「勝負勝負う!」
会話なんて俺には聞き取れなかった、人間を匹で数えるその生物達の会話なんて俺には聞こえなかった。
「心配は要りませんよ、神の御加護があれば頭を一撃で損傷したりしなければ死にはしませんし、[寄り代の兜]をつけているので、その一撃も余程の物でなければとおりません。」
頭を抱える俺の横に見当違いな解説をしている代表の子供、名をユリウスというらしいそいつが並ぶ。
「えっーっと、ユリウス・・・さん?は行かないのか?」
「ユリウスで大丈夫ですよ、兄さんももう宿りの民の一員ですし。
弱い者に保護者をつけるのは当然でしょう?」
「・・・さいですか・・・」
あまりにも虚しい事実に遠くを見ながら、俺はそう答えることしかできなかった。
・・・あっさり仲間認定されたけど。俺は一体どうなってしまうんだろうか。




