元山賊達とその用心棒
俺達は運が良い。
何で運が良いって?
そりゃあおよそ二年前程前になる事だが、俺らはとある用心棒として一人のハイエルフという種族の男の雇用に成功し、それを機にほぼ思い通りに過ごせる日々を送ってこれたからだ。
奴を雇って暫くはその周囲を思うがままに荒らし回り、歯向かう傭兵やギルドの連中を返り討ちにしながら、旨い汁を啜りに啜りつづけていた。
そんな日々を送っていれば悪名は轟き、果ては国筆頭に近い懸賞金が掛けられた程である。
そこまでは幸せだったのだが、そうなれば必然的に国が、ギルドが、本腰を入れて来る。国境を強化され、逃げ道を封じられてから数によりジワジワと活動を封じられていき、苦しい状況に追い立てられた。
あわや内部分裂かという所まで追い詰められたとき、とある領主から密使がやってきてとある取引を持ちかけてきた。
結果的に俺たちはその話を受け、以前よりは窮屈になったものの領地内の街のなかで強権を手に入れる事になった。
依然、ハイエルフの用心棒は雇ったままで、最初こそ街中のエルフの奴隷の開放等無用な手間を掛けさせられたが、そのほかの扱いがっての良さから、もはや手放す事など考えもつかない。
ハイエルフは人間を虫とか獣とか、兎に角同列とは思っておらず感心も全く無いようで、「金が貰えればどんな奴らだろうが構わない」って振る舞いだ。
まあ、同族に近いエルフが奴隷にでもなってたら逆に俺らを脅してでも開放させようとするのは玉に瑕だが。信用を重んじ、引き抜きには応じず、裏切りの兆候も全くない。
切り札としては使い勝手が良すぎる位だ。
さて、そんな優秀な駒を持っている俺たちだが、現在飼い主である領主より新たな依頼が舞い込んだ。まあ依頼というなの命令だが。
簡潔にいうと、「現在ギルドの隠している物の調査とあわよくば奪取」
手段は問わないとのことだが、あの荒くれ共が隠している物ってのは随分とおおざっぱなもんだが。
まあ実はあたりはもうついていて調査ってのはほぼ終わってるようなもんだ。
こんな話ってのはそこらの酒場に行けばそれらしい情報に簡単に行き着くと思うんだが。
領主ってのは肝心な所で抜けてるもんなんかねえ?
・・・いや、もしかしたらあの時の俺もまた運が良かったのかもしれない。
思い起こせばだがあの時周りのハンターたちは自慢話を始めた男の会話を強引に切り替えようとしていたような気がする。
その後自慢話を始めた男が席を立って戻ってこなかったのもやけに印象に残っている。
とある辺境にある村で討伐されたウルフのような形の怪物、その亡骸もとい素材、その存在が領主のしりたい事の一つだろう。
この情報をさも苦労して得た感じで報告し、報酬をせびるのも手だが・・・そうだな、今回は有能である事を見せる為に隠し場所を明かす所までやるか・・・。
酒場で漏れるような話だ、そう大きな話じゃないだろう。
楽な仕事だ、報酬の前祝いに適当な女でも見繕って騒ぐとするか。
ああああああああストックメモの紙片どこにいったのおおおおおおおおおおお
探してもないよおおおおおおおおおおおおおおお




