とある潜伏者の手記2
四日目
この村の女性は皆美しい。辺境の村であるはずなのに、村娘特有の芋臭さがなく、小麦色の肌はツヤがありシミ一つない、時たま袖からチラリと見える白い部分に無意識に視線が向いてしまうのも仕方なく、そんな私の視線に気づいても嫌悪するどころかクスクスと笑うだけで済ませてくれる。
話を聞くと、女性がこれだけ活力に溢れ且つ穏やかなのは、神様の加護によるものらしい。
あの邪神のような姿をした神が実際にいるというのだろうか?まあ、居たとしてもこれだけ人側に良い影響を与えてくれているのならば、むしろ歓迎すべき存在のように思う。
・・・家畜を育てるような意味を持っていなければだが。
私は一体何を調べればいいのか・・・神なんて恐ろしい物に関わりたくはないのだが・・・
帰りたい
五日目
今朝目覚めた時、寝床に少量の血が付着しているのに気づいた。美しい女性に浮かれて鼻から血でも出したのだろうか。それにしては鼻に違和感が無いが・・・。違和感といえば今日は例の見られている感覚がない。
村に出てみれば、初めて子供達が私に寄ってきた。手にはウルフの幼体を抱えており、それを手渡しで受け取り、流れで遊びに参加することになった。
幼体はふわふわで人懐っこく、男ながらその愛くるしさにやられてしまった。恐らく街にいる妹に見せればおお喜びだろう。調査が終わったらこの村に移住するのもいいかもしれない。
両親が他界している為、残してきた妹が心配だ、ただ顔をみたくなり
帰りたい
六日目
今日は村の長に合わせてくれるらしい。いつも案内してくれている女性についていくと、村の集会所のような広間に通された。
果たして現れたのは妹と同じ程の年の少女であった。彼女の話を要約すると、この村の神様が私を気に入ってくれたらしい。その為ぜひともこの村に移住しないかという提案だった。
私は素直に妹が街にいること、移住するだけの資産が無い事を話すと、「資産は気にしなくて良い、神が気に入った人の為ならば、村からの十分な支援を約束する。」との約束をしてくれた。妹もこちらに来るだけでいいのだと。
また、神に気に入られただけではない、と意味ありげに視線を横にすべらせ案内係の女性に向けた。私には勿体無い話だが、この幸運を蹴る必要も無いだろう。私は否もなく了承した。
早く帰ろう
七日目
私は帰ってきた。
しかし私はいったい何の目的であそこに行っていたのだろうか?
まあいい、早く家に帰ろう。家に帰って支度してあの村に帰ろう。
家に着くと妹が出迎えてくれた。しきりに仕事についての心配をしてきたので問題無いと伝えて、引越しの話をする。
妹は村について色々と聞いてきたので、その素晴らしさを語り支度を促す。妹は、せめてご近所に挨拶する為に1日は欲しいと言ってきたので、了承した。
私は私で準備を始めよう。村長の話では手ぶらでもいいくらいだとのことだったので、最低限に済ます事が出来る。
今日は久々に妹と一緒に寝ることになった。この家にいるのもあと少しか・・・。
早く帰ろう




