村の変化
どうしてこうなった
あの襲撃からおよそ三ヶ月程、その間に幸子の周囲はめまぐるしく変化していった。
着るものが他の者と比べて若干豪華になったり、一日の生活が祈りから始まったり、祭りのような催しでは神輿のような物の上に担ぎ上げられ、果ては村の集会所のような所で謁見みたいな光景が繰り広げられている。まるで現人神の様な扱いに長い間困惑させられっぱなしである。幸子の扱いに関してもだが、そこに自分も含まれているとなると何か村人を騙しているみたいで据わりが悪い。
「バジャラ」という恐らく俺を指している名詞と、座っている幸子の背後にある触手を象った木彫りのレリーフ、祈りの際には幸子を含む全員がこれに向かって祈っている所を考えると~~~。
もしかして俺は神と勘違いされているのでは無いだろうか・・・と最近そんな馬鹿な発想に至った。
もしそうならば、「ぼっぼくはそんなたいしたものじゃないんですうううう!ただの虫けらなんですうううう。」と弁明したい・・・伝えられたらどれほど気が楽になるであろうか。まあ、その後の幸子の扱いがどうなるか分からない為、暴露するのはもっと力をつけてからになるだろう。
そもそもまだ言葉解らんし、「家」とか「牛?」とか「鳥」とか簡単な単語くらいは覚えたけど。
翻訳能力が切に欲しいが、虫としては破格の能力と可能性を秘めている身を貰っている分、これ以上の望みは罰が当たりそうなので我慢我慢。
さて、話は変わって、現在の寄生分布であるが、実はこの村人達に関しては既にコンプリート済みであり、ネズミや鳥などの小動物に手を伸ばしている最中である。
うむ・・・保険は多くあるに越した事はないからね。
村人の中で成長が完了した触手は髪の毛に擬態させ、各人に挨拶を済ませている。面白い事に寄生適応度には個人差があり、その度合いによって村内での役割も違いが生れているようだ。又その度合いによる階級?みたいな物もあるらしく、その部分はまだ詳しく理解できていないので説明できない。自分の事なのに、把握できていないって微妙に恐怖を覚えるよね・・・言葉の壁が厚すぎる。
因みにだが、この村にいたポチ狩りに参加していた者達はどうしたかというと、勿論元気にしている。ちょっと脳をクチュって俺の存在を忘れてもらっているが。
問題は村外の人間に見られたらとても不味いという事だが、まあきっとなんとかなるだろう。




