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寄生虫転生〜僕は神様ではありません〜  作者: 脳クチュ大好き
寄生虫との邂逅
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それぞれの思考

幼女教 発足の予感

いつまで回り続けるのだろうか、靄がかった思考は、時間を引き伸ばし、その光景を目に焼き付ける。

永遠にも続くかと思っていたのだが、突然奴はピタリと回るのを止めて、その場に膝まづき、両手の指を汲んで何かに祈り始めた。

すると、同時に降り続いた血の雨もやみ、重い血の音が止まると、周囲は静寂に包まれた。


俺は、その一連の流れを光景を一生忘れる事はできないであろう。

その御姿が、あまりにも美しく映ってしまったのだ。紅い風景と、いつの間にか血が斑に落ち始めている金の髪の毛に、太陽の光が反射し、清廉さと汚れの対比が、穢れを知らぬ無垢な少女の存在を一層引き立てている。

まるで、自らを捧ぐ生贄の少女のように、遥か東方に伝わる神に奉仕する巫女のように。祈りを捧ぐすの姿こそ、俺にとって女神のように映ってしまった。いや、写す事ができた。


俺は・・・今まで積み上げてきた物を犠牲にして、ここまで来れたのかもしれない、仲間も、自由も、地位も、この映像を写す為だけに生きてきたのかもしれない。人生が全て上書きされたような、そんな気がした。

彼女からしたら、俺は今、どんなちっぽけな物なんだろうか。


不思議な満足感と共に、これからの俺のやるべき事に期待を抱きつつ、あまりの光景を見た為か意識を手放した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一人だけ仕留めそこなった盗賊に、幸子は歩み寄る。幸子はにへらと笑みを浮かべると。その手を盗賊にむけ「神様、お願いします。」なにやらぽつりと呟いた。

恐らく殺してくださいというお願いであろうが、少し俺にも考えがあったので、代わりに触手を耳につっこみ後の為の通り道を作っておく。後の処理はネズミさんにお願いしておけばよいだろう。彼らは監視の目として今回の戦いでは大いに役立ってくれた。もはや不要な駒として扱うというのはあまりに気が引けてくる程の働きぶりだった。


殺さなかった俺に幸子は以外そうな顔をしたが、「まあ、神様がやることだから」、何かを無理やり納得したように、視線を外した。それにしても、子供というのは時に残酷な行為をためらいなく実行させる。

今回の幸子の場合は、若干仕方ないとも思えるが、この先のこの子の成長に若干の不安を覚える。

仕方ないというのは、この村に到着した際に、まっさきにこの子の家らしき所で、両親のだろう、惨たらしい死体を見たというのが理由だ。最初は泣き叫び、廃人にでもならないかとも思ったが、幸子は泣くことも無く、両膝を抱えて暫く動かなくなった。

どんな思考の変化があったのかは分からない。ただ、次顔を上げた幸子は、満面の笑顔を浮かべて一言


「大丈夫、私は独りじゃない」


呟いて立ち上がった。

この時点で俺は既にちょっと引いた。両親死んで笑顔ってどんな心境の変化でそうなったの?


立ち上がった瞬間に、盗賊が入って来たのは偶然だろう。


「おっなんだ?まだ捕まってないガキがいたのか。」


何も考えずにその男は幸子の事を捕らえようとし。


「さわらないで」


そのまま俺によって貫かれて即死した。


「ふふっうふふふ」


ついに笑い始めた幸子に思わずギョっとする。何故か俺に害はないんだろうけど、妙な恐怖を感じるんですけど。廃人にはならずともちょっと狂ってしまったのか?それとも元々の素質?。・・・俺はもしかしたらとんでもないサイコパスを宿主に選ばされてしまったのではなかろうか?。

草葉の陰からポチが爆笑している姿が思い浮かぶ。・・・・正直・・・どん引きである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お父さんとお母さんは常に一緒だった。

お母さんはいつも私に、「シルちゃんにもいつかお父さんみたいな素敵な人ときっと合えるはずよ」その言葉を何かにつけて言い聞かしていた。私はお母さんとお父さんを羨ましく思い、同時にその子供でいられる事をとても幸せに思っていた。が、しかし、その別れは突然やってきた。

膝を抱えて目をつぶるとあの日常が浮かんでくるようだ、お母さんとお父さんは常に一緒・・・。きっと死んでからも一緒なのだろう。悪い人に無理やり殺されてしまったとはいえ、あんなに優しい二人の事だ、きっと仲良く天国へと導かれるだろう。


願わくば、自分も一緒についていきたいとも思っていた、しかし、折角また二人きりになれたというのに、その中に割り込むように入っていくというのは、少し悪い事をした気分になるだろう。

それに、私はまだこの世界でやり残した事があるのだ。お母さんにとってのお父さん、お父さんにとってのお母さんとも言えるべき人に出会っていない。

そんな素敵な人に私は出会いたいのだ。


二人が居なくなってしまって、確かに寂しい気持ちもある。それでも「大丈夫、私は独りじゃない」。

自分に言い聞かせるようにそう呟く。(私には神様がついている)

そう思うと、とても自分が特別になったように感じて、とてもワクワクとしてきた。


(ふふっふふふ)


高揚感に突き動かされて、もうこうしてはいられないと、立ち上がると、不意に誰かに声を掛けられた。

見てみると、村を襲った悪い人が目の前に現れていた。咄嗟に「さわらないで」と自分の物とは思えない鋭い声が出てしまう。

すると、神様が私の意を汲んでくれたのか、私の髪の毛の一部を使い、あっけなくやっつけてしまう。


「ふふっふふふ」


今度は思考に留まらず、口にでてしまった。でもそれは仕方がない、だって神様といると、これから先の未来にに、どんな出来事がまっているのだろうと、期待が止まらなくなってしまうのだ。

もう止まらない。


さて、お父さんとお母さんを殺してしまった悪い人たち、だけど、そのおかげで私は神様に出会えた。そう考えるとすこし複雑な気持ちになる。だって、きっと彼らは悪いことをいっぱいして死んでしまったら、地獄に落ちてしまうのだから。


・・・・「そうだ!」


とても良い事を閃いてしまった!。神様に天罰というものを与えて貰うのはどうだろう!。そうすれば天国とは言わずとも、少しは罪が軽くなるかもしれない!。

なんと素晴らしい考えだろう!神様もきっとこの考えを褒めて下さるに違いない!。


そうと決まればやるしかない!悪い人たちがいなくなる前に全員に天罰を差し上げなければならない!。


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