盗賊VS幼女2
バレンは部下の案内についていき、直ぐに問題の場所にたどり着いた。
「・・・なんだ・・・ありゃあ。」
思わず口から溢れた言葉は誰に対して言った物ではなく、ただただ息と一緒に自然と外に漏れてしまった物だ。
俺たちの仲間は全員で50人を超える程の大所帯だった・・・。目の前には20数人が打倒され、見るからに死んでいる者はその半数に至る。死んでいる者の顔はすぐ分かった。まるで血液を全て失ったかのような真っ青な顔色は、遠目からでも判別できる程だからだ。
馬鹿げた話だった。一応盗賊とはいえど、俺主導の下鍛錬はやってきている。実戦で裏打ちされたその実力については、そんじゃそこいらの中途半端な盗賊なんて目じゃない程の強さの筈だ、頭をやっている自分がよく知っている。
「ケタケタ」
ふいに、怒号の中に妙に甲高い声が聞こえる事に気付く。
その声は、妙によく響き、耳に届いてくる。久しく聞くことは無かった、子供が楽しくて楽しくて仕方がないといった時に出す笑い声、それにとても良く似ている。
子供のような幼さを含む声。
それを囲んでいる仲間の隙間から、そいつが見えてくる。人の壁が削れて行くということは当然味方がどんどん減っているという事だが、俺はそこに気付くことなく、そいつの姿を注視していた。
もっと人間離れした容姿なら納得もいったであろう、しかし、この目に映った者はあまりに人間の子供らしく、それでいて、あまりに化物じみていた。
その矛盾した容姿に思わず息を呑む。
地面に付くほどの金色の髪は、先端が赤黒く染まり一束が人間に突き刺さると脈動して血をすすっている。子供自身は掌を人に向けて笑っているだけなのに、その正面にいる者は防御も関係なく細切れになっていく。
「ケタケタケタ・・・かみさまあ楽しいねえ!悪い人にはお仕置きしないといけないよねえ。」
「くっ狂ってるのか?」
神様?何の事を言っているのか分からない、もし奴にそんな力を与えている物がいるとするならば、それこそ悪魔とか邪神と言われたほうがしっくりくる・・・。まあ、誰かがあのガキに力を貸しているって線が濃厚なようだ。




