盗賊VS幼女1
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バルネ村のとある民家の一室。普段外からの客を迎える場として使用されるその部屋に、男が一人座っていた。村長すらも滅多に飲めない、それこそ大事にとっていた酒を、遠慮もせずにグイグイと飲み干していき、口元は終始弧を描いている。
その男こそ、今回の襲撃を行った盗賊団の頭[バレン]であり、今は自分のお楽しみを終えて余韻を味わっている。上機嫌に盃を傾け、バレンは今回の襲撃を思い返す。
いくらハンターといえど、戦力が分散されている所を狙われれば、ひとたまりも無く、足と勘の良い者だけが一足早く逃げていった。果たして目論見は上手くいき、村の制圧はあっという間であった。
撤退を優先させたハンター達により、多数の女子供は逃がされてしまったが、余った人数でも事は足りる。夕方までに準備を整えて逃げることが出来れば、今頃泡を食って戻ってきている奴らとぶつかる事も無いだろう。
(もう軌道には乗った、後は楽しんで捨ててさようならだ、さあて、次はどこに行こうか。)
順調に進む略奪と、未来を見越して思わず緩む頬。そんな時だった。
「かっかしら!」
何やら慌ただしく、手下の一人が部屋に転がり込んでくる。顔面蒼白で、なにやら酷く動揺している様子なのはひと目でわかる。
「おう、なんだ?盛りすぎて女の上で死んだ奴でも出たのか?。」
面倒事の気配を感じて、思わず軽口を叩いてしまう。
(まさかもうハンター達が戻って来たのか?)
「がっガキが!化物で!髪の毛で!俺たちを!」
狂わんばかりに単語のみを出す手下に苛立つが、ハンターで無いならそこまで動揺することもあるまい。
「おいおい。報告だけはしっかりやれっていつも言ってるだろうが。」
「ばっ化物が出たんだ!ガキの姿をした!!今!笑いながら外で他の奴を殺して回ってる!。」
(化物?人型の?魔物か?)
ゴブリンの様に人型の魔物というのは少なくない。しかし、話を聞くに妙な部分がある・・・(髪の毛?そんな物で戦う魔物等聞いたことは無い)。
きっと何かの見間違えであろうが・・・ここで見逃すわけには行かない。
(一対一ならそうそう遅れを取ることは無いだろう。他の奴らも居ることだし。仕方ねえ、もういっちょ働くしかねえか~)
「案内しろ。そいつは俺が殺してやる。」
バレンは重い腰を上げ、折角の良い気分を台無しにした奴をどんな感じに殺してやろうかと憤怒の表情を浮かべ、怒鳴り声が徐々に大きくなる外に向ったのだった。




