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寄生虫転生〜僕は神様ではありません〜  作者: 脳クチュ大好き
寄生虫との邂逅
14/72

発覚と招集

ハイネの村 人口1000にも満たない小さな村。

三方を山や林に囲まれているが、採取地や狩猟地として優良な条件を満たしているため、ハンターギルドの出張所がある。

この様な村が周囲に2つ程あり、ヨハネ村、バルネ村、と似たような名前と構成で未開地との接点として、賑わっている。

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村が見えた、平穏そのままと言えるほどの光景で、俺たちが出発した時の様子となんら変わっていない、ただ俺だけが、俺たちだけが出発時と違うだけ、仲間は皆森の中に消えた。


だがやっと、やっとたどり着く事ができた!。

ギルドに着き、文字通り転がり込んで迎えたのは、周囲からの好奇の視線。

ただならぬ気配を感じたのか、ギルドマスター代理のグスタフが俺の前に立ち、話しかけてきた。


「おいオルガ、そんなに慌ててどうした?

他の奴らは?ゴブリン退治は?」


矢継ぎ早に質問を浴びせてくるが、それを無視して、枯れた喉をなんとか動かす。


「みっみ・・ず」


「飲みかけでいいならこれをやるよ」


だから早く話せと煽られるが、それは此方としても望むところだ。一息であおり、飲み干してしまう。


「化け物がでたんだ、それで他の奴らはそいつの事を知らせる為に囮になって、荷物は捨ててきて、俺は戦いは能が無いから仕方なくて」


「落ち着け落ち着け、途中から話がずれてるぞ

化け物が何だって?どんな化け物だ?

ゴブリンキングとかか?」


「違う!魔物なんだろうが、そんなもんじゃ無い!」


叫ぶように言ったつもりでも、枯れた喉ではかすれたような声しか出ない。


「大方襲われて錯乱したから、魔物がより凶悪なもんに見えただけだろう。」


ハンターの内ではよくある事だ。恐怖は印象を誇張させ、正確な判断を鈍らせる為、こういった駆け込みの人間が来たときに、聞いた側が判断に困るのだ。


「どんな魔物かなんてどうでもいいんだ!とにかく、トリシュとカインは殺されちまって、アベルが足止めをしてくれてる。ミレアとは途中ではぐれちまったんだが、場所的に村からもそんなに離れてねえから、急いで討伐の用意しねえと!」


「トリシュが?不意打ちでか?」


グスタフは顎をさすりながら考える。

(トリシュと言えば、そこそこ優秀なスカウトだった筈、それが反応もできずに仕留められたと考えると、散発的な捜索隊の派遣は愚策かもしれん。)

グスタフは眉を顰め、黙考を始めた。

辺りではざわざわと騒ぎが広まり始め、掲示板を見ていた者も輪に入り、最初から聞いていた人間に話し掛けているのが見える。


グスタフは周囲を確認して状況を整理する。

(ギルドにいるハンターの人数は20人か、森狩りをするにはちと少ないな。他の村から応援を呼ぶしかないか。ゴブリンの間引きもこの際大々的にやれば、儲けにもそんな影響は出ないだろう。)


別に大型なオークやゴブリン種等であれば、こんな対応も必要がないのだが。不意打ちをするという事は、他のハンターも同じ手口にやられてしまうかもしれない。損害が大きくなる前に早めの対処が必要だろうと、そこまで考えてから彼の決断は早かった。


「2日で用意するぞ、緊急依頼だ!他の2村に応援要請を届ける!だれか伝令役やりたいやつ手を上げろ!もちろん馬に乗れる奴だけだ!」


大声を張り上げると、候補は直ぐに決まったので、その中からそれぞれ選出し早馬を飛ばす。




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