人間への寄生2
ノクターン編を電車の中で書くのはちょっと勇気いりますね。
暫くお待ちいただきたく。
今更ですが、視点変更は--------を挟んでいます。
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「大丈夫!?アベル!」
化け物を退けた後、私は慌ててアベルへと駆け寄り、状態を確認した。
一部、酷く腫れてはいるものの、命に関わるものではなさそうだった。先程の彼の悲鳴から、もっと凄惨な状態を想像した為に、一安心した。
だが、彼の目からは光が消え、何か怖ろしい目にあったのは確実に思えた。
長い付き合いの中で、彼のあんな悲鳴は初めて聞いた。まるで子供のように、または暴行される婦女子のような、無力さから来る救いの懇願。
だから私まで声が届き、ここまで辿り着けたのは、不幸中の幸いというものだった。
「アベル、アベル!しっかりして!」
強めに肩を掴んで呼び掛けると、彼の目に光が戻ってきた。
「ミレ・・・ア?ミレアか、すまない・・・助かった。」
「御礼は後、とにかく治療を受けなくちゃ。奴が戻ってくる前に移動しましょう。ほら、肩に捕まって。」
「あぁ、でもお前は村に行ったんじゃ。」
「それはオリガに頼んであるから大丈夫!。それよりも今は自分の心配をしなさい。酷い状態よ?。」
冗談混じりに返すと、彼は羞恥からか顔を赤く染め、躊躇いつつ肩に捕まった。
独特の臭気が鼻に付くが、この程度問題にすらならない。
(戦争に出た人間だったら大きい方を漏らしながら戦う者も少なく無いと聞くし。)
暫くノロノロと移動をする。
「この調子ならギリギリ夜には村に付ける筈。頑張ってアベル。」
「あぁ」
化け物の影響からか、周囲にゴブリンの姿は見えない。順調に進んでいたその時だった。
「あっ」
突然、アベルが声を上げた。
「どうし・・・」
問い掛ける為、顔を向けようとしたその刹那。
トスッ
軽い音と共に、それはアベルを抱えた右肩から、私の右耳へと侵入してきた。
「え?・・・何?これ。」
肩を離して距離を取ることも出来ずに、狼狽えながら硬直してしまった。
ヌメヌメとした感触が舐めるように、耳の中を蹂躙し始める。楽しむように、味わうようにそれは這い回り、ちょっと間を空けてから、チクっとした痛みの後、ゴリゴリと音を立て始めた。
「あぎぃ!?え?え?」
背骨に衝撃が走る
「はひゅっ、はぁ、あっあっあっあっあっ」
間髪入れずに感じた事の無い感触が、まるで骨を直接撫でられるような痺れが全身に広がり、勝手に声が出てしまう。
「あっあっいやっ!やめて!」
喘ぐように空気を求め口をパクパクとさせながら、力が抜けて行き、私は失禁してしまう。
じんわりとした温もりを感じると共に、ゾクゾクというか、じんわりというか、浸み出すような快感が生まれ初めた。
(何か、大事な物が無くなって行く。)
「あっあっふっふふっ」
「ははははは」
見れば隣でもアベルが笑っている。
笑っているのは幸福な事で、今私たちは幸せな場所にいるのであろう。
ひゃっはー!元気娘を染め上げるぜぇー!
※1ノクターン「書き換えと快楽」(更新未定)