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突然の誘い

 体育館裏は一言で表すならば『カオス』だった。


 白雪さんに告白しようとする男子たちが牽制し合っているところに俺と白雪さんが一緒に行くことによって火に油を注いだ形になってしまったのだ。

 え、そいつらをどうしたかって?

 逃げたよ、そりゃ。だってあのままいると襲われそうだったんだもん(主に俺が)。


 だがそんなことになっているとは白雪さんは気づいてないようで「なんですかあれ、奇祭ですか?」って聞いてきた時には心底驚いた。

 この子、天然すぎないか、と。


 まあ、可愛いは正義な世の中で白雪さんは何をしても許されると思う。

 現に、俺と恥ずかしそうに手を繋いでる白雪さんを見るだけで何も考えられなくなる。

 まあ、あの体育館裏で唯一気になったのが白雪さんの幼馴染でもある光貴がいたことだが…


「ね、りゅーたくん。今度の休みに映画を観にいきませんか?」


 学校から離れたからか急に幼くなったような白雪さんに話しかけられる。

 やっぱりこっちのモードも可愛いなぁ。


「あの、だめ、ですか?」


 白雪さんに見とれていたために返事が遅れてしまう。

 それを拒否と思った白雪さんの上目遣い。


「いや、行く!行きます!絶対に!」


「やった、ありがと!」


 そういって抱きついてくる白雪さん。

 こういうことをされるといつも学校で凛としている白雪さんの本性を自分だけが知っているような感覚になって、妙に幸福感に満たされる。

 あぁ、このまま死んでもいい。そんなことを考えながら今日も白雪さんと帰るのであった。



「てか、今度の休日って明日だよな」


 家に着いた後に、そんな重大なことに気づく。


「やべー、あんなに威勢良く行くとは言ったものの何にも決めてなかった」


 ピロリン ピロリン


 ベットでどうしようかと頭を悩ませていると俺のスマホに電話がかかってくる。


「はい、もしもし」


『あ、もしもし。りゅーたくんですか?白雪です』


「え、白雪さん⁉︎」


『はい、あの、明日のことで電話しました!』


 ここで1つ疑問。

 あれ、俺って白雪さんに連絡先教えてたっけ?


『どうかしましたか?りゅーたくん』


「あ、い、いや、なんでもない、なんでない」


 は、なんか白雪さんの声が可愛すぎてなんでもないっていってしまった。


 そのままどんどん明日の予定が決まっていく。

 どうやら見る映画は今話題の恋愛映画らしい。

 そして映画館は俺たちが通っている高校の最寄駅の駅ビルの中に入っているところに行くようだ。


『じゃあ明日の1時に駅の北口で待ち合わせですね!』


「りょーかい!」


『それじゃあまた明日ね、りゅーたくん!』


 そうと決まれば明日着て行く服を決めなきゃ!

 そうして俺は明日のデートに向けて準備をするのだった。

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