表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

夏休みの夕食

だいぶ遅くなりました。すみません。

 この前、白雪さんの家に料理を食べに来るという約束をしたため、俺は今、白雪さんの家に来ていた。

 ここまでは別になんら問題はない。…今、この家には俺と白雪さんしかいないことを除けば…


 え、なんで二人きりかって?

 白雪さんのお義父さんとお義母さんが(余計な)気をきかせて出て行ってくれたからだよ!!!


「りゅーたくん!できたよ!」


 そんな俺の気苦労を知ってか知らずか、白雪さんか明るい声で話しかけながら料理を持ってくる。


「おぉ、これはすごいな……」


「そうでしょ、私、頑張ったんだから!」


 白雪さんが持ってきた皿の上には山盛りの肉、肉、肉。

 だいぶ前に白雪さんに肉が好きだとは言った覚えがあるがまさかこんなことになるとは……


 俺が驚いている間にも、白雪さんは着々と晩御飯の準備を進めて、俺の前の席に座る。


「じゃあ、いただきまーす!」


「いただきます」


 そう言って俺がご飯を食べようとすると、白雪さんが話しかけてくる。


「ね、ね、りゅーたくん!」


「ん?」


「はい、あーん」


 そしてあろうかとかあの伝説の『はい、あーん』をやってきたのだ。

 突然の白雪さんの行動で少し戸惑ったが、グイグイと進めてくるのでおとなしく食べることにした。


 よく、カップルがやることとしてあげられるこの行為だが、実際にやってみると顔から火が出るくらい恥ずかしい。これを人前でやってるカップルのメンタルはどうなっているのやら。


「どう?おいしい?」


 白雪さんがちょっと不安そうな声で聞いてくる。


「お、おいしいよ」


 正直恥ずかしすぎて味がわからないが、今ならどんなものでも美味いと思える、、、気がする……


 そんななか、白雪さんが期待のこもった視線を俺に向けているのに気づく。これは次は俺がやる番ってことなのだろうか。

 俺は肉を箸で少し取ると、それを白雪さんの口元へと運ぶ。


「あーん」


 そう言って食べる白雪さんが満足そうなのを見てから俺はご飯を食べる。だがすこしすると、またもや白雪さんが俺の口元に肉を運んでくる。


 もしかしてこの食べさせ合いはずっと続くのではないだろうか……


 ♢


 晩御飯の食べさせ合いを終えて、恥ずかしさだけが残った食卓で俺は帰り支度をしていた。


「じゃあ白雪さん、また明日」


 そういって家を出ようとする俺の腕を白雪さんが掴む。


「ん?どうしたの白雪さん」


 俺が質問すると白雪さんから衝撃的な答えが帰ってくる。


「今日、私の家に泊まっていきませんか?」と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ