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突然の勉強

「あと1週間でテスト始まるからしっかり勉強しとくんだぞ!」


 担任の先生はそう言ってホームルームを終わらせた。

 そう、今は夏休み直前にある定期テストの1週間前なのである。


 ホームルームも終わり、みんな帰宅の準備を始めていると圭が近寄ってくる。


「お前、ちゃんと勉強してんのか?」


「ぜんぜんやってない」


 俺は真顔で答える。


「しゃーねーな、いつも通り俺の家で勉強会すっか!わかんねーところ教えてやるよ。」


「あざっす、助かります!」


「いいって、お返しは晩御飯奢りでいいから」


 実は、この会話を見てわかる通り、圭はこう見えても成績優秀者である。

 そして毎回テストの前になると俺に勉強を教えてくれる。まあ、晩飯は毎回奢らされるが…


「あの、りゅーたくん!」


 俺と圭が教室から出ようとしたところに白雪さんが話しかけてくる。


「ん?白雪さんどうしたの?」


「そ、その勉強会、わ、私の家でやりませんか?」


 周りのクラスメイトの嫉妬の視線が辛い…


 ♢


 あのあと、圭は空気を読んで帰ってくれた。

 ありがとう、圭。晩飯は必ず奢るよ…

 そんなくだらないことを考えている間に白雪さん宅に到着する。


「さ、りゅーたくん。どうぞ、上がって上がって!」


 これが人生2度目の白雪家である。

 やはり緊張する。


「お、お邪魔します…」


「いらっしゃいませ、巻島さん」


 お手伝いさんが向かい入れてくれた。

 どうやらこの家には今、俺と白雪さんとお手伝いさんしかいないらしい。


「りゅーたくん、こっちです!」


 そう言って手を引からながら白雪さんに案内される。


「ここです!」


 そう言って白雪さんは1つのドアの前で立ち止まる。

 どうやらここが白雪さんの部屋のようだ。


「へぇ…」


 部屋に入ると意外にも可愛らしい人形や小物が並んでいた。

 その部屋の中心には部屋にある大きな机のほかに小さな机が置いてある。

 準備早くね…と、心の中で思った。


 ♢


「りゅーたくん、この問題はここでだした答えをここに代入して計算するんですよ」


「あ、なるほど!」


 やはり、と言うべきか白雪さんは学年トップなだけあって教え方も上手い。

 そしてあっという間に日が傾いてしまった。


「お邪魔しました」


 なかなか実のある勉強会だった。

 少し名残惜しい気もするがまた明日会えるのだ。

 そう言って玄関の戸を開けようとすると白雪さんがとびきりの笑顔で言う。


「また明日も勉強会しましょうね!」


 明日も⁉︎と心の中で驚きながらも早く明日にならないかなぁと思うのであった。

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